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 より効果的で効率的なコンピューターのメモリーシステムを目指して、ストレージであるNANDフラッシュメモリーとメインメモリーであるDRAMの間を埋める、ストレージ・クラス・メモリー(SCM)と呼ぶ新メモリーが提案される。NANDフラッシュより速く、DRAMより大容量というのがSCMのいち付である。こうした新メモリーが提案されている背景には、現状のメモリーシステムでは、さらなる高性能化や低消費電力化に向けて不満な部分があるということだろう。

 メモリー各社のビジネスの内訳を見ると、韓国サムスン電子(Samsung Electronics)や米マイクロン・テクノロジー(Micron Technology)のように、さまざまな種類のメモリーを保有しメモリーシステムを丸ごと提供できるところもあれば、東芝メモリのようにNANDフラッシュ専業のところもある。同じメモリーメーカーでくくられてはいるが、メモリーシステムを丸ごと提案できるところと、専業の強みを生かした経営資源の集中に強みを生かせるところという、業態の違いが出てくる。SCMのような、メモリーシステムの再構築が望まれる時代の中で、こうした違いが、各社のポジションにいかなる影響を与えるのか、興味深い。

 好景気の真っ只中にあるメモリーメーカー各社を俯瞰し、長期的な視野から今後の優劣を生み出す可能性がある要因について議論しているテクノ大喜利。2番目の回答者は、服部コンサルティング インターナショナルの服部毅氏である。同氏は、さまざまな種類のメモリーを扱う総合メモリーメーカーと、特定のメモリーだけを扱う専業メーカー、それぞれの利害得失について論じている。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
服部 毅(はっとり たけし)
服部コンサルティング インターナショナル 代表
服部 毅(はっとり たけし)  大手電機メーカーに30年余り勤務し、半導体部門で基礎研究、デバイス・プロセス開発から量産ラインの歩留まり向上まで広範な業務を担当。この間、本社経営/研究企画業務、米国スタンフォード大学 留学、同 集積回路研究所客員研究員なども経験。2007年に技術・経営コンサルタント、国際技術ジャーナリストとして独立し現在に至る。The Electrochemical Society (ECS)フェロー・終身名誉会員。マイナビニュースや日経xTECHなどに、グローバルな見地から半導体・ハイテク産業動向を随時執筆中。近著に「メガトレンド半導体2014-2023(日経BP社)」「表面・界面技術ハンドブック(NTS社)」「半導体・MEMSのための超臨界流体」(コロナ社)がある(共に共著)。
【質問1】中国企業など新興勢力の台頭は、メモリーメーカーの勢力図にどのような影響を及ぼすと思われますか?
【回答】長期的には中国が世界最大のメモリー大国となって勢力図を大きく塗り替える
【質問2】SCMなど、新メモリーの実用化・普及は、メモリーメーカーの勢力図にどのような影響を及ぼすと思われますか?
【回答】新型メモリーに対する期待感は高いが、ニッチな分野で使われることはあっても当面勢力図を塗り替えるまでにはならないだろう
【質問3】メモリーメーカー各社が扱う製品・技術の違いは、今後の勢力図の行方にどのような影響を及ぼすと思われますか?
【回答】総合メモリーメーカーは有利、NAND専業は先端品に賭けるしかない