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 これまでのIT産業や電子産業では、新しい技術とビジネスの立ち上げと成長を常に米国が牽引してきた。メモリーメーカーのみならず、あらゆる半導体メーカー、ひいては関連企業すべてが米国の動向を再優先でウオッチしてきた。乱暴な表現であることを覚悟して言えば、世界中の企業は、米国が掲げたビジョンと示すトレンド、描いたシナリオにそって、技術開発も市場開拓もしてきたように思える。

 しかし、市場の巨大さ、政治体制上の違いからくるスピード感と強制力、さらには技術開発に関わる人材の質と量で、中国が米国に肉薄する存在感を示すようになってきた。IT産業や電子産業における根本的なビジョンは、中国も、米国が掲げたものに沿っているようには見える。だが、技術開発の方向性や注力点、市場開拓の方針といった、ビジョンの実現に向けた戦略レベル、戦術レベルの部分では、独自性を打ち出すようになった。

 メモリーメーカー各社から見れば、米国が示す路線はもちろん無視できない。かといって、中国が示す未来を完全否定することもできない。各社が技術開発やビジネスの戦略を描くときに、どこを見て描けばよいのか。迷いを生じる局面になっている。メモリーメーカー各社を俯瞰し、長期的な視野から今後の優劣を生み出す要因を洗い出している今回のテクノ大喜利。4番目の回答者は、東海東京調査センターの石野雅彦氏である。同氏は、米中並び立つ時代のメモリーメーカーには、従来とは異なる新戦略の策定が必須になると論じている。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
【質問1】中国企業など新興勢力の台頭は、メモリーメーカーの勢力図にどのような影響を及ぼすと思われますか?
【回答】中国メーカーの影響は現在、限定的。だが、中国政府が標榜する「中国製造2025」に沿って、一定以上のシェアを確保する可能性がある
【質問2】SCMなど、新メモリーの実用化・普及は、メモリーメーカーの勢力図にどのような影響を及ぼすと思われますか?
【回答】 YMTCは新3D NAND技術「Xtacking」を発表。コスト面では課題があると評価されているが、次期成長が予見される立場に急浮上している
【質問3】メモリーメーカー各社が扱う製品・技術の違いは、今後の勢力図の行方にどのような影響を及ぼすと思われますか?
【回答】2軸での勢力争いが起きる構図に期待する