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 スマートフォン・ビジネスは、強力な自社製半導体を保有することが、競争力を高めるうえで重要な局面になってきている。

 スマートフォンでシェア2位の中国ファーウエイ(Huawei)は、2018年9月にドイツで開催された家電展示会「IFA 2018」に、7nmプロセスを適用し、AI向けプロセッサー・コアを2個搭載したスマートフォン向け自社製SoC「Kirin 980」を発表した。同社の子会社である半導体設計会社、中国ハイシリコン(HiSilicon Technologies)が開発したチップである。また、シェア3位の米アップル(Apple)も、2018年9月12日に発表した「iPhone」の新機種に、同じく7nmプロセスで生産した6つのCPUコア、4つのGPUコア、ニューラルエンジンなどを集積するSoC「A12 Bionic」を搭載した。これらはいずれも台湾TSMCで製造したものだ。

 シェア1位の韓国サムスン電子(Samsung Electronics、以下Samsung)をはじめとする多くのスマートフォン・メーカーが採用する米クアルコム(Qualcomm)や台湾メディアテック(MediaTek)は、7nmプロセス版のSoC開発において、以上2社に遅れを取っている。Samsungは、内製可能なスマートフォン向けデバイスが多く、独自の最新技術をデバイス・レベルから作り込むことが可能な事業体制を持っている。実際、過去にはこうした強みを生かして、スマートフォン市場でのシェアを高めてきた。しかし、現局面では必ずしも、その強みは生かせていない。

 投資王Samsungの目線から、好況が続くメモリー市場の位置付けと同社の投資資金のやり繰りが同市場に与える影響を議論している今回のテクノ大喜利。5番目の回答者は東海東京調査センターの石野雅彦氏である。同氏は、Samsungの事業の柱のひとつであるスマートフォン事業の競争力を維持する観点から、半導体などデバイス分野での投資の強化、特に設計力強化の必要性を指摘している。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
石野 雅彦(いしの まさひこ)
東海東京調査センター シニアアナリスト
石野 雅彦(いしの まさひこ)  山一証券経済研究所、日本興業銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券を経て、東海東京調査センターのシニアアナリストとして半導体、ディスプレイ、通信などテクノロジー企業および産業を対象にした調査・分析に従事している。
【質問1】現時点でのSamsung Electronicsは、メモリービジネスでの投資が調整局面にあるように見えます。これは正しい判断だと思われますか?
【回答】市場動向を的確に判断した行動と判断される
【質問2】Samsung Electronicsが取り組むビジネス領域(半導体以外も含めて)の中で、現時点でもっと積極投資すべきと思われる分野はどれですか?
【回答】半導体およびディスプレー事業ともに研究開発投資の分野
【質問3】巨額投資案件を数多く抱えるSamsung Electronicsの、メモリービジネス専業のメーカーに対するメリットもしくはデメリットは何だと思われますか?
【回答】メリットは誰よりもメモリービジネスを熟知していること。デメリットはメモリーの利益依存度高さを分散させられるのか