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 個人情報保護強化の動きは、世界の潮流である。ただし、各国や地域の法令で定められる内容は、大きく異なる。中には、世界の潮流に背を向ける国や地域もある。ICT関連の製品やサービスを提供する企業は、こうした世界の潮流とは異なる動きをする国の市場を無視できれば何ら問題はない。悩みが増すのは、その市場が極めて重要な場合だ。

 個人情報保護の強化は、ざっくりといえば、IoTや人工知能(AI)の利活用を考えるうえで、ネガティブな効果がある。これらの技術は、莫大なデータを自在に操ることができてはじめて、その効能を発揮するからだ。そして、個人情報は、極めて価値の高いデータである。このため、世界の潮流に沿わない国の市場、そこに拠点を置く企業は、相対的に有利な立場になる。

 世界で広がる個人情報保護強化の動きのICT産業や電子産業への影響を考えている今回のテクノ大喜利。2番目の回答者は、ゲスト回答者として情報セキュリティ大学院大学 教授の湯淺墾道氏にご登場願った。同氏は、世界の潮流とは異質な動きを見せる中国市場に注目し、IoTやAIなどに関連したビジネスでの今後の国際競争力などについて論じた。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト

湯淺 墾道(ゆあさ はるみち)
情報セキュリティ大学院大学学長補佐・情報セキュリティ研究科教授
湯淺 墾道(ゆあさ はるみち)  1970年生。青山学院大学法学部卒業。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程退学。九州国際大学法学部教授、副学長を経て、2011年情報セキュリティ大学院大学情報セキュリティ研究科教授。2012年より学長補佐。総務省情報通信政策研究所特別研究員、情報ネットワーク法学会副理事長、株式会社ベネッセホールディングス情報セキュリティ監視委員会委員長代理など。



【質問1】個人情報の保護を強化する動きによって、IoTやAIに関連したビジネスの成長・発展はどのような影響が及ぶと思われますか?

【回答】IoTやAIの分野では、プライバシーや個人情報が保護されない中国企業が有利になる


【質問2】個人情報を保護する規制が強化される中、個人情報を活用したサービスやシステムの開発を考える企業は、どのように対策すべきと思われますか?

【回答】プライバシー・バイ・デザインの考えを取り入れ、被害を最少化する仕組みを導入


【質問3】個人情報の保護を強化する動きが広がっていることで、半導体や電子部品、ソフトウェアなど、関連サプライヤーにはどのような影響があると思われますか?

【回答】短期的には影響は出ないであろう。ただし、長期的にはサプライヤーにも一定の責任が発生する可能性がある