PR

 「魔法のような」。これは、米Appleが自社製品の素晴らしさを表現するときに好んで使うフレーズである。機器の進化を、具体的な新機能や客観的な性能向上の数値で示すのではなく、ユーザーの主観に与える驚きを情緒的に表現したものだ。

 Appleは、何を商品として売る企業なのか。同社が創業以来一貫しているのは、ハード専業、ソフト専業、サービス専業の企業にはできない、もっと別の価値を提供してきたという点である。21世紀に入ると、同社がユーザー提供しているような総合的な価値を持つ商品のことを、“ユーザー体験”と呼ぶようになった。Appleは、ユーザー体験を売り続けている企業なのだ。

 iPhoneという圧倒的プロダクトの今後と、近い将来のAppleによる破壊的創造の是非について、ハードウエアの進化を軸に議論している今回のテクノ大喜利。2番目の回答者は、東京理科大学大学院の関 孝則氏である。数々の企業のサービス創出を支援してきた同氏が、サービスのユーザー体験を高める際のハードウエアの進化の役割と効果について論じた。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
関 孝則(せき たかのり)
東京理科大学大学院 イノベーション研究科 教授
関 孝則(せき たかのり) 2017年より東京理科大学の社会人大学院にて技術経営の教鞭をとる。前職セールスフォース・ドットコムの常務執行役員で、IoTなど最新技術を軸にしたビジネス開発を担当。日本アイ・ビー・エムにて技術理事、グリッドやLotus Notesなどの新規事業の技術担当、 米国IBMにて、本社技術戦略スタッフ、 メインフレーム開発、著作権侵害調査などに従事。
【質問1】現在のような順当なハードウエアの進化を繰り返すことで、スマートフォンでのiPhoneの強いポジションを今後も維持できると思いますか?
【回答】そもそも、iPhoneはハードウエアの進化で評価すべき商品ではない
【質問2】今後、Appleが新たなサービスビジネスを創出していくうえで、ハードウエアの革新的な進化は必要だと思いますか?
【回答】ハードウエアの進化は、ユーザー体験の向上に効果的
【質問3】Appleが今後も成長していくため、iPhoneという現状の強力なプロダクトに取って代わるような破壊的創造が必要だと思いますか?
【回答】揺るぎないビジョンの下で、主役ハードは変わる可能性がある