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 米Appleの「iPhone」は、例年9月に新製品の発表をしている。ここで発表するのは、ハードウエアの新製品である。いかに同社がユーザー体験を売る企業だとしても、ハードウエアの新製品を発表している以上、消費者は当然ハードウエアの進化を期待する。しかも、実際に利用してみないと価値が分からないソフトウエアやサービスに比べて、ハードウエアの進歩は分かりやすい。この発表会で、いかなるインパクトを与えるかが、その後のあらゆるビジネスに影響を与えることだろう。

 そうした観点から2018年9月の発表内容を見ると、iPhoneの進化に関しては極めて分かりにくいものだった。確かに内蔵するプロセッサーの性能が飛躍的に向上したことは分かるが、それによって何が変わるのかが今ひとつピンとこない。Appleは、今回の新製品発表会で、魔法のようなユーザー体験を提供できたのだろうか。

 iPhoneという圧倒的プロダクトの今後と、近い将来のAppleによる破壊的創造の是非について、ハードウエアの進化を軸に議論している今回のテクノ大喜利。4番目の回答者は、服部コンサルティング インターナショナルの服部 毅氏である。期待していた驚きと感動がなかったと見る今回の発表と最近のAppleの動きを基に、同社の未来を憂いている。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
服部 毅(はっとり たけし)
服部コンサルティング インターナショナル 代表
服部 毅(はっとり たけし)  大手電機メーカーに30年余り勤務し、半導体部門で基礎研究、デバイス・プロセス開発から量産ラインの歩留まり向上まで広範な業務を担当。この間、本社経営/研究企画業務、米国スタンフォード大学 留学、同 集積回路研究所客員研究員なども経験。2007年に技術・経営コンサルタント、国際技術ジャーナリストとして独立し現在に至る。The Electrochemical Society (ECS)フェロー・終身名誉会員。マイナビニュースや日経xTECHなどに、グローバルな見地から半導体・ハイテク産業動向を随時執筆中。近著に「メガトレンド半導体2014-2023(日経BP社)」「表面・界面技術ハンドブック(NTS社)」「半導体・MEMSのための超臨界流体」(コロナ社)がある(共に共著)。
【質問1】現在のような順当なハードウエアの進化を繰り返すことで、スマートフォンでのiPhoneの強いポジションを今後も維持できると思いますか?
【回答】思わない、というより思いたくない
【質問2】今後、Appleが新たなサービスビジネスを創出していくうえで、ハードウエアの革新的な進化は必要だと思いますか?
【回答】必要。しかし、ハードウエアの進化のメリットを最大限に引き出すソフトウエアやサービスの創出がもっと必要
【質問3】Appleが今後も成長していくため、iPhoneという現状の強力なプロダクトに取って代わるような破壊的創造が必要だと思いますか?
【回答】破壊的創造がなくてもユーザー囲い込みとブランド力頼りの高価格化で当面は成長できる。しかし、長期的には破壊的創造なしでは生き残れまい