運転責任の所在が曖昧なレベル3対応自動運転車を市場投入するのか。そして、もしも市場投入するのならば、どのような製品として位置づけ、マーケティングしていくのか。自動車メーカー各社の悩みが垣間見えるようになった。
既に、自動車メーカーの中には、スウェーデンのボルボ(Volvo)のようにレベル3をスキップして一足飛びにレベル4の実用化を目指すことを明言するところが出てきた。自動運転車の早期実用化を強力に後押しする米エヌビディア(NVIDIA)も、レベル3と同等の機能を実現したシステムを作りながら、ドライバーが運転責任を負うことを明確化するため、あえて「レベル2+」という独自表現のレベル付けをして技術を提案している。
レベル3対応をうたう機能を搭載した市販車を既に投入済みのドイツのアウディ(Audi)は、利用シーンを高速道路での60km/h以下の走行に限定し、しかも走行中のドライバーの行動も制限した状況での利用を提案している。レベル3対応車の2020年の実用化を発表したホンダも、利用シーンを高速道路の渋滞時に限定し、なおかつ運転をシステムからドライバーに引き継げない場合は、路肩などへ緊急停車するという安全策を投入するようだ。
レベル3対応自動運転車の存在意義と実現に向けた課題とその解決に向けた方策などを議論している今回のテクノ大喜利。4番目の回答者はGrossbergの大山 聡氏である。同氏は、自動車メーカーがレベル3対応車を投入することには、リスクと同時にメリットもあることを指摘。そのうえで、投入するか否かの判断が、かなり戦略性の高い判断になることを示唆している。
Grossberg 代表
