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 プロセッサー版のLinuxと呼ばれる「RISC-V」を活用する機運が、着実に高まってきている。

 RISC-Vは、ライセンスとロイヤルティーが無償で利用可能なオープンソースであること、特定応用に向けた専用プロセッサー・コアを開発しやすいことから、x86やArmといった業界標準CPUに代わる選択肢として注目を集めていた。そして今、独自半導体チップの開発競争を繰り広げるスマートフォン・メーカーやAIチップ開発を推し進めるIT企業、さらには米中経済戦争で継続的なプロセッサーの調達に不安を抱える中国企業にとってのブレークスルーとして、RISC-Vの活用がにわかに浮上してきている。

 半導体メーカーや電子機器メーカーがRISC-Vをいかに活用するかが、今後の電子産業や半導体産業の勢力図と企業競争力に大きな影響を及ぼす可能性が出てきている。今回のテクノ大喜利では、時代の要請に応える技術としてRISC-Vがブレイクする条件や効果的な活用先について議論した。最初の回答者は、TSUの高橋恒雄氏である。技術者として、マイコンビジネスに強みを持つ企業の経営者として豊富な現場経験を持つ同氏は、主要な応用市場の状況を分析し、RISC-Vブレイクの可能性を探った。さらに、日本のマイコンメーカーにとってのRISC-Vの利用価値に関しても言及している。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
高橋 恒雄(たかはし つねお)
TSU 代表取締役
高橋 恒雄(たかはし つねお) 第二精工舎、富士ゼロックスで研究開発に従事、マイクロコード、x86、68000、RISC、UNIXに親しむ。その後、インテルに80860アプリケーションエンジニアとして入社、ペンティアム・マーケティングなどを経て取締役通信事業本部長。モトローラにはメトロワークス社長で入社、半導体部門スピンオフに伴いフリースケールジャパン社長、リーマンショック後の組織大縮小完了後退社。株式会社TSUを設立。その後INCJにリクルートされ、ルネサスエレクトロニクスでターンアラウンドを行う作田チームに執行役員常務兼CSMOとして参画。TSUではTPGキャピタル、ベアリング・プライベートエクイティ・アジアのアドバイザーを歴任。ライフワークとしてサウンドスケープを研究。
【質問1】RISC-Vの普及の起爆剤となる出来事またはキラーアプリケーションは何だと思われますか?
【回答】エコシステムの移行を起こし、既存マーケットに参入できたとき起爆する
【質問2】RISC-Vの活用によってイノベーションが生まれると思われる業種、業界はどこだと思われますか?
【回答】IoT
【質問3】RISC-Vの活用を早期に積極化すべき日本企業は、具体的にどこだと思われますか?
【回答】レガシーISA MCU/MPUメーカー全般