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【質問2】開発動向を注視したい技術、進歩を期待したい技術「Technology of the Year 2020」は何でしょうか?
【回答】人と機械のコミュニケーション(近距離無線と人体通信)

 2020年には、改めてIoT が注目されることだろう。そこで私が開発動向を注視したい技術、進歩を期待したい技術は「近距離無線の技術」である。

 ネットワークは、既に情報通信におけるインフラとなっている。インフラとは、「10分でわかるカタカナ語」(編者:三省堂編修所)によると、「下部構造」の意味が転じて「産業や生活の基盤として整備される施設」を指す。すなわち、私たちの生活になくてはならない、水道、ガス、電力、道路、鉄道などがインフラである。

 私たちは、この情報通信ネットワーク(インフラ)を介して情報をやり取りし、情報を共有する。その際、ネットワークに接続された機器と人の間を直接つなぐ役割は、ラストワンマイルの近距離無線が担う(図2)。

図2 人と機械が近距離無線でつながる
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図2 人と機械が近距離無線でつながる
出典:筆者が作成

 この機器と人との間の近距離無線には、WBAN(Wireless Body Area Network)が注目されており、IEEE 802.15.6として国際標準化(表1)が行われた。WBAN は、「UHF帯狭帯域通信(Narrowband:NB)」「広帯域通信(Ultra Wideband:UWB)」「人体通信(Human Body Communication:HBC)」の3つの物理層がある。このうち、人体通信の研究・開発は、世界的に見ても、日本や韓国が進んでいる。私は、東京オリンピックが行われる2020年に、世界にアピールできる日本の技術として、人体通信を紹介できると良いと思う。

表1 IEEE 802.15.6 の概要
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表1 IEEE 802.15.6 の概要
出典:筆者が作成