全5766文字

 分散化と集中化を繰り返しながら進化しているように見える情報システム。だが、長期的視野に立てば、確実に機能の分散化が進み、さまざまなアプリケーションでのイノベーション創出を誘発しているといえよう。大型汎用コンピューターからパソコン、スマートフォンに至る流れしかり、電話局を介した集中型通信ネットワークからインターネットへの流れしかりである。そして、こうした大きな潮流に沿う、発展途上の分散化技術がブロックチェーンである。

 仮想通貨の実現を目指して発案されたという生い立ちと技術自体の難解さから、一般にブロックチェーンは、怪しげな技術とみなされがちだ。しかし、その潜在的インパクトは、コンピューターのダウンサイジングやインターネットの普及に匹敵するのではないか。

 本来なら年末に選ぶべきエレクトロニクス・機械分野での「〇〇 of the Year」を、あえて2020年初頭に各回答者の見地から大胆予想している今回のテクノ大喜利。6番目の回答者は、組み込みシステム分野の知見が豊富なETラボの横田英史氏である。同氏は、組み込みシステムでのブロックチェーン活用の胎動を注視している。さらに、本格的普及に向けて関連企業の動きが急なRISC-Vについても言及している。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
横田 英史(よこた えいじ)
ETラボ 代表
横田 英史(よこた えいじ) 大学卒業後、大手重工メーカーに組み込み技術者として勤務。8085、8086、80186、68000など8/16ビットマイクロプロセッサーを搭載したCPUボード、対応するOS(モニター)の開発を手がける。1986年に日経BP社に転職後、BizIT(後のIT Pro、現在のxTECH)創刊編集長、日経コンピュータ編集長、日経バイト編集長、執行役員 制作・システム担当を歴任。その間、情報処理推進機構 ソフトウェア・エンジニアリング・センター(SEC)の研究員。その後、日経BPコンサルティング取締役、日経BPソリューションズ代表取締役社長を経て、2018年10月に退職、ETラボを設立し代表に就任。2019年6月から組込みシステム技術協会 理事を兼務。ET(組み込み技術)とICT(情報通信技術)を中心に執筆、編集、業界振興、人材育成支援の活動を続ける。紙とWebの両方の編集長と制作担当を務めた経験を生かし、メディア戦略立案のコンサルティングも手がける。「RISC-V原典」(日経BP、2018年)の編集に携わる。
【質問1】2020年、社会や産業界、エレクトロニクス業界に最も大きなインパクトを及ぼすと思われる動き「Topic of the Year 2020」は何だと思われますか?
【回答】非金融分野のブロックチェーンが胎動する
【質問2】開発動向を注視したい技術、進歩を期待したい技術「Technology of the Year 2020」は何でしょうか?
【回答】 RISC-Vにおける出遅れを取り返せ
【質問3】最も動向を注視したい企業「Company of the Year 2020」はどこでしょうか?
【回答】 トヨタ自動車を代表とする国内の自動車関連メーカー各社および立ち上がりつつあるIoT関連の産業