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 つい最近までただの素人だったユーチューバーが、百万人規模の人々に影響を与えられる時代になった。インターネット上に用意されている情報プラットフォームを上手に活用すれば、大企業が巨額資金を投じて行っているような仕事を、個人でもできるようになった。シンデレラ・ストーリーは、ネットの中にたくさん落ちている。

 ものづくりの分野では、起業に際しても莫大な資金が必要とされるようになって久しい。起業したければ、まずはベンチャーキャピタルを納得させるか、分かりやすい経歴や実績を武器に銀行の融資を引き出すしかなかった。ところが、ものづくりの起業家苦難の時代は、そろそろ終わりつつあるのかもしれない。

 本来なら年末に選ぶべきエレクトロニクス・機械分野での「〇〇 of the Year」を、あえて2020年初頭に各回答者の見地から大胆予想している今回のテクノ大喜利。8番目の回答者は、技術経営の研究者である立命館アジア太平洋大学の中田行彦氏である。同氏は、2020年は、一個人が、ものづくりの分野でイノベーションを創出できる時代が到来していることを指摘。2020年にこれが大きな潮流へと広がることを予感している。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
中⽥ ⾏彦(なかた ゆきひこ)
⽴命館アジア太平洋⼤学 名誉教授
中⽥ ⾏彦(なかた ゆきひこ) 神⼾⼤学⼤学院卒業後、シャープに⼊社。以降、33年間勤務。液晶の研究開発に約12年、太陽電池の研究開発に約18年、その間、3年間、⽶国のシャープアメリカ研究所など⽶国勤務。2004年から⽴命館アジア太平洋⼤学の教授として、技術経営を教育・研究。2009年10⽉から2010年3⽉まで、⽶国スタンフォード⼤学客員教授。2015年7⽉から2018年6⽉まで、⽇本MOT学会企画委員⻑。2017年から⽴命館アジア太平洋⼤学 名誉教授・客員教授。京都在住。
【質問1】2020年、社会や産業界、エレクトロニクス業界に最も大きなインパクトを及ぼすと思われる動き「Topic of the Year 2020」は何だと思われますか?
【回答】デジタル・トランスフォーメーション(DX)の進展で、一個人が中心となって進める「クラウドイノベーション(CI)」元年へ
【質問2】開発動向を注視したい技術、進歩を期待したい技術「Technology of the Year 2020」は何でしょうか?
【回答】国境を超えて世界と価値交換できるプラットフォームのさらなる進歩に期待
【質問3】最も動向を注視したい企業「Company of the Year 2020」はどこでしょうか?
【回答】クラウドファンディングにより、ものづくり系日本1位の1億2800万円を調達したglafitに注目