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 自家用車の購入に際して、これまでクルマ選びの決定権はドライバーにあった。ドライバーが、どう使いたいのか、どのような走りを求めているのか、周囲からどのように見られたいかで、購入するクルマを決めていた。自動車メーカー各社は、こうしたドライバーの嗜好に合わせて選択肢を用意していた。では、システムが運転する自動運転車ではどうか。購入するクルマは、ドライバー目線ではなく、搭乗者目線で選ばれることになるのではないか。

 本来なら年末に選ぶべきエレクトロニクス・機械分野での「〇〇 of the Year」を、あえて2020年初頭に各回答者の見地から大胆予想している今回のテクノ大喜利。9番目の回答者は、自動車の技術とビジネスの行方を洞察した多くの研究成果を持つローランド・ベルガーの貝瀬 斉氏である。同氏は、2020年は商品としての自動運転車の姿を探求する年になると論じている。これまで以上に、一人ひとりが車室内で過ごす時間を快適にするため、走行環境や搭乗者の好みなどによって走りや車内空間を適切に変える新たなクルマづくりが始まることを予見している。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
貝瀬 斉(かいせ・ひとし)
ローランド・ベルガー パートナー
貝瀬 斉(かいせ・ひとし) 横浜国立大学大学院修了後、大手自動車メーカーを経てローランド・ベルガーに参画。その後、事業会社、ベンチャー支援会社を経て、2007年にローランド・ベルガーに復職。自動車グループのリーダーシップメンバー。自動車産業を中心に開発戦略、M&A支援、事業戦略、マーケティング戦略など多様なプロジェクトを手掛ける。完成車メーカー、サプライヤー、商社、金融サービス、ファンドなどさまざまなクライアントと議論を重ねながら「共に創る」スタイルを信条とする。
【質問1】2020年、社会や産業界、エレクトロニクス業界に最も大きなインパクトを及ぼすと思われる動き「Topic of the Year 2020」は何だと思われますか?
【回答】注目トピックは「人間理解の年」
【質問2】開発動向を注視したい技術、進歩を期待したい技術「Technology of the Year 2020」は何でしょうか?
【回答】注目技術は「感情の推定」
【質問3】最も動向を注視したい企業「Company of the Year 2020」はどこでしょうか?
【回答】注目企業は「トヨタ紡織」