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 シリコンカーバイド(SiC)や窒化ガリウム(GaN)など、シリコン(Si)以外の半導体材料をベースにしたパワーデバイスの応用が広がってきた。2018年7月、米テスラ(Tesla)が同社の「TESLA Model 3」のメインインバーターに、SiCベースのMOSFETを初採用。フラッグシップ・モデルに高価な部品を試しに使ったのではなく、同社の中で普及モデルに位置づけた車種に採用された点に、自動車業界関係者の驚きが広がった。また、GaNもパソコンなどのACアダプターを劇的に小型化する技術として、消費者に広く認知されるようになった。

 ただし、現時点では、非Si系半導体デバイスの生産に適した材料や装置を供給するサプライチェーン、さらにはデバイスの優れた潜在能力を引き出す周辺部品や設計手法といった利用技術のエコシステムは、整備されているとはいえない。エコシステムの未整備は非Si系デバイス普及の不安要因であり、需要側の盛り上がりに冷水を浴びせる可能性もある。

 今回のテクノ大喜利では、非Si系パワーデバイスの生産や利用を後押しするエコシステムの整備に付随して生まれる商機について議論した。最初の回答者は、Grossbergの大山 聡氏である。同氏は、非Si系半導体市場の成長によって、Si系向けとは別のエコシステムの整備が求められ、そこに新しい多様な商機が生まれる可能性を指摘している。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
大山 聡(おおやま さとる)
Grossberg 代表
大山 聡(おおやま さとる) 1985年東京エレクトロン入社。1996年から2004年までABNアムロ証券、リーマンブラザーズ証券などで産業エレクトロニクス分野のアナリストを務めた後、富士通に転職、半導体部門の経営戦略に従事。2010年よりIHS Markitで、半導体をはじめとしたエレクトロニクス分野全般の調査・分析を担当。2017年9月に同社を退社し、同年10月からコンサルティング会社Grossberg合同会社に専任。
【質問1】非Si系のパワーデバイスの生産に関連して、今後、新たな商機が生まれる可能性があるサプライチェーン上の商材は何だと思われますか?
【回答】 SiCやGaNウエハーの加工・再生技術
【質問2】非Si系パワーデバイスに関連して、今後、新たな商機が生まれる可能性がある非Si系パワーデバイス関連の利用技術は何だと思われますか?
【回答】ターゲット・アプリケーションを強く意識したモジュール・周辺回路技術
【質問3】非Si系パワーデバイスが市場成長することで、デバイスメーカー以外で成長が期待できる企業はどこだと思われますか?
【回答】ウエハーの加工・再生装置メーカー