全3198文字
PR
【質問2】非Si系パワーデバイスに関連して、今後、新たな商機が生まれる可能性がある非Si系パワーデバイス関連の利用技術は何だと思われますか?
【回答】ターゲット・アプリケーションを強く意識したモジュール・周辺回路技術

 質問1の回答でも述べたとおり、SiCやGaNの台頭を待ち望んでいるユーザーは多く、「今までできなかったことが実現できるなら、多少高くても使いたい」という事例も存在する。

 例えば、SiCは電力変換効率が非常に優れており、太陽光発電用インバーター、無停電電源システム(非常用電源)、産業用モータードライブ、HEV/EV用バッテリー制御など、電源部分にすでに多くの導入実績がある。IGBTなど従来のSi系パワーデバイスに比べて、電力変換時のロスが非常に少ないので、トータルシステムとして考えれば、こちらの方がコスト・パフォーマンスに優れている、という判断がなされた事例と言って良いだろう。

 電源部分に活用されるパワーデバイスは、元々汎用性の高い部品であるべきだ。しかし、ある特定の状況下ではSi系よりもSiC(あるいはGaN)の方が良い、あるいはSi系では実現困難、という事例を多く集めるためには、ターゲット・アプリケーションを絞り込んだマーケティング戦略と開発戦略が求められる。つまり、狙ったアプリケーションを徹底的に調査・分析してSiC(あるいはGaN)を組み込んだシステムを設計・開発するような手法が重要なのである。

 より具体的に言えば、すでにSi系パワーデバイスを採用しているユーザーとの会話の中で、多少コスト高になっても電力ロスを少しでも減らしたいとか、変換部分を小型化したいとか、そういったニーズを引き出す作業が欠かせない、ということになる。結果として、特定アプリケーション用のモジュールや周辺回路技術がますます必要になるのではないだろうか。