全4279文字
PR

 段違いの高性能を実現するとがった技術は、得てして粗削りで使いにくいのが常だ。時代の先駆者たちは、じゃじゃ馬を乗りこなす腕を頼りにとがった技術を使いこなし、時代を変える応用製品やサービスを作り出す。誕生間もないトランジスタだって、パソコンだってそうだったはずだ。

 最近、複数のメーカーが市場投入するようになったGaNデバイスを利用した小型ACアダプターを、2016年に他社に先駆けて市場投入した米国のベンチャー企業であるフィンシックス(FINsix)のセールストークには、次のような文が書かれている。「MIT(マサチューセッツ工科大学)発の高速スイッチング技術により、市場に出ている従来のACアダプターと比較し、4分の1の小ささ・軽さを実現…」。MITがACアダプターを開発するという極めてシュールな世界が、非Si系パワーデバイス周辺に広がっている。

 非Si系パワーデバイスの生産や利用を後押しするエコシステムの整備に付随して生まれる商機について議論している今回のテクノ大喜利。2番目の回答者は、MTElectroResearchの田口眞男氏である。パワーデバイスの利用技術開発に取り組む同氏は、非Si系半導体を利用する上でどのような部品や技術が足りないのか、いかなる商機がそこに潜んでいるのか、具体的に示している。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
田口 眞男(たぐち まさお)
MTElectroResearch 代表
田口 眞男(たぐち まさお) 1976年に富士通研究所に入社とともに半導体デバイスの研究に従事。1988年から富士通で先端DRAMの開発・設計に従事。メモリーセル、高速入出力回路や電源回路などアナログ系の回路を手掛ける。2003年、富士通・AMDによる合弁会社FASL LLCのChief Scientistとなり米国開発チームを率いてReRAM(抵抗変化型メモリー)技術の開発に従事。2007年からSpansion Japan代表取締役社長、2009年には会社更生のため経営者管財人を拝受。エルピーダメモリ技術顧問を経て2011年10月より慶應義塾大学特任教授、2017年4月より同大学の先端科学技術研究センター研究員。技術開発とコンサルティングを請け負うMTElectroResearchを主宰。
【質問1】非Si系のパワーデバイスの生産に関連して、今後、新たな商機が生まれる可能性があるサプライチェーン上の商材は何だと思われますか?
【回答】デバイスチップと外部を接続する方法に関連した商材
【質問2】非Si系パワーデバイスに関連して、今後、新たな商機が生まれる可能性がある非Si系パワーデバイス関連の利用技術は何だと思われますか?
【回答】高速立体回路の設計ノウハウ
【質問3】非Si系パワーデバイスが市場成長することで、デバイスメーカー以外で成長が期待できる企業はどこだと思われますか?
【回答】コンデンサーメーカー