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“コロナショック”は、世界中の経済に大きな影響を及ぼしている。ウイルスの最初の発生地となった中国は、2020年2月中はあらゆる経済活動がストップしたかのような深刻な状況だった。今後、その傷痕がはっきりと見えてくることで、さらなる心配事が浮上してくる可能性がある。
世界の工場であり、世界最大の消費市場でもある中国は、今回の出来事を境として衰退に向かっていくのだろうか。実は、そうでもなさそうだ。日本の多くの製造業企業よりも、はるかに若く、たくましい発想で動く中国企業をあなどってはいけない。
回答者の方々の視座から新型コロナウイルスの影響が及ぶ可能性を洗い出している今回のテクノ大喜利。2番目の回答者は、中国を中心とした電子デバイス分野での情報支援をしているテック・アンド・ビズの北原洋明氏である。同氏は、中国国内、特に電子情報産業で早くも出てきているコロナショックを「特需」に変える動きを紹介している。なお、本記事は3月8日時点の情報に基づいている。
(記事構成は、伊藤 元昭=エンライト)
北原 洋明(きたはら ひろあき)
テック・アンド・ビズ 代表
テック・アンド・ビズ 代表

【質問1】中国の電子産業に及ぼす影響に関して、特に気になる点をお聞かせください。
【回答】産業全体の一時的な停滞から復興に向け動きだし、新たなビジネスも生まれつつある
【質問2】日本の電子産業に及ぼす影響に関して、特に気になる点をお聞かせください。
【回答】直近のビジネスへの影響が大きく、その回復に目が行っているが、長期的な事業戦略の見直しの機会とすべきだ
【質問3】長期的視野から見た際の、世界の電子産業に及ぶ影響があればお聞かせください。
【回答】会議や展示会イベントなどの延期が中長期的な産業発展の停滞を招く一方で、全く新しい情報ネットワークの形成が加速していく