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 台湾TSMCは、既に7nm世代からロジックプロセスへの極端紫外線(EUV)露光を導入した。ただし、注意すべきことは、7nm世代でチップ内のデバイスや回路のパターンのすべてをEUV露光で描いているわけではないということだ。

 かつての半導体チップでは、微細加工技術が進化すれば、トランジスタも配線も同時に微細化していた。このことから、チップの高性能化、高集積化、低消費電力化、低コスト化が同時に実現できていた。ところが、現在の微細加工技術の進歩では、チップ内のデバイスや回路のパターンの要所だけに、最先端の露光技術を適用できるだけになっている。従って、EUV露光のメリットを享受できるチップは限定的になっている。

 EUV露光が実用化したことのインパクトの度合いと、その賞味期限などについて議論している今回のテクノ大喜利。2番目の回答者は、元 某ハイテクメーカーの半導体産業OB氏である。同氏は、現時点で実用化されているEUV露光の適用先とその効果を明確にし、応用を広げていく際の技術開発の論点を考察した。さらに、EUV露光の実用化が進んだとしても、違った観点からムーアの法則の継続に懸念が出てきていることを指摘している。

(記事構成は、伊藤 元昭=エンライト
半導体産業OB(はんどうたいさんぎょうOB)
某社リサーチャー
半導体産業OB(はんどうたいさんぎょうOB) 半導体産業をはじめとする電子産業全般で豊富な知見を持つ某ハイテクメーカーのOB。某国公認会計士でもある。現在は某社でリサーチャーを務め、市場の動きをつぶさにウオッチしている。
【質問1】EUV露光の実用化による恩恵を最も大きく受けるチップは何だと思われますか?
【回答】スマホ向け各種プロセッサー
【質問2】EUV露光をより多くのチップの製造に適用するため、早期解決が望まれる積み残された技術的課題は何だと思われますか?
【回答】ペリクル、レジスト、シングルパターニング延命
【質問3】EUV露光の実用化によって、ムーアの法則は、どの程度延命したと思われますか?
【回答】11年。ところが、他に延命措置が必要な患者が