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 20年以上前に流行した「SimCity」という都市経営シミュレーションゲームをご存じだろうか。自分が市長になり、住民の不満や要望を聞き、さまざまな社会課題を解決しながら都市を大きく発展させていくゲームだ。このゲームでは、都市が一定以上に大きくなると決まって道路の渋滞が大問題になる。いかにうまく道路を敷いてもなかなか解消しない難問だ。しかし、裏技のような抜本的解決策があった。すべての道路を鉄道の線路に引き直して、都市からクルマを排除してしまう方法だった。

 トヨタ自動車とNTTによるスマートシティービジネスの事業化を目指す資本提携では、クルマのビジネスを起点にした新しい都市像を描くことになるだろう。トヨタは、クルマの売り切りではなく、モビリティーサービスを商品にするMaaS(Mobility as a Service)事業を軸にした新ビジネスを創出するというが、クルマを題材にしたビジネスであることに変わりはない。

 日本を代表する巨大企業の組み合わせによる異業種連携によって生み出すべき、スマートシティーの新たなビジョンとそれに関連した新ビジネスについて議論している今回のテクノ大喜利。2番目の回答者は、服部コンサルティング インターナショナルの服部 毅氏である。同氏は、新しいビジネスの創出に取り組む両社トップの発言から既存ビジネスに拘泥している様子を嗅ぎ取り、不安要因を指摘している。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
服部 毅(はっとり たけし)
服部コンサルティング インターナショナル 代表
服部 毅(はっとり たけし) 大手電機メーカーに30年余り勤務し、半導体部門で基礎研究、デバイス・プロセス開発から量産ラインの歩留まり向上まで広範な業務を担当。この間、本社経営/研究企画業務、米国スタンフォード大学留学、同大学集積回路研究所客員研究員なども経験。2007年に技術・経営コンサルタント、国際技術ジャーナリストとして独立し現在に至る。The Electrochemical Society(ECS)フェロー・終身名誉会員。マイナビニュースや日経クロステックなどに、グローバルな見地から半導体・ハイテク産業動向を随時執筆中。近著に「メガトレンド半導体2014-2023(日経BP社)」「表面・界面技術ハンドブック(NTS社)」「半導体・MEMSのための超臨界流体(コロナ社)」がある(共に共著)。
【質問1】自動車メーカーと通信サービスプロバイダーの協業体制の下で、いかなる価値を持つスマートシティーの情報基盤を築くべきだと思われますか?
【回答】 ICTの技術力で既存都市が抱える諸問題を解決し、質の高い生活ができる持続可能な社会を実現するための包括的な情報基盤を築くべきだ。それはクルマ中心の社会にあらず
【質問2】日本の巨大企業同士の組み合わせだからこそ生み出せるムーブメントは何だと思われますか?
【回答】動きの遅い巨象が2頭そろった同床異夢のムーブメント。時代を先取りしスピード感ある多数のベンチャー企業に投資すべきだ
【質問3】トヨタ自動車とNTTが創出する「スマートシティプラットフォーム」を、グローバルビジネスとして展開できる可能性があると思われますか?
【回答】思わない。ガラパゴス的発想だから