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長く続き、しかも業界のトップを走り続けてきた企業には、他の企業にはない相応の知見とノウハウ、事業ネットワークがあるはずだ。創業から80年を超え日本の自動車産業をリードし続けていたトヨタ自動車と、前身の日本電信電話公社時代を含めれば70年近くの歴史を持ち日本の通信産業そのものと言える存在であり続けたNTTは、まさにスペシャルな企業だといえよう。
トヨタ自動車とNTTは、それぞれの歴史の中で、常に消費者と向き合い、同時に規制や認可の当局と対峙(たいじ)してビジネスをしてきた。こうした経験は、スマートシティーの仕組みづくりにも大いに役立つのではないか。
日本を代表する巨大企業、トヨタとNTTによる異業種連携によって生み出すべき、スマートシティーの新たなビジョンとそれに関連した新ビジネスについて議論している今回のテクノ大喜利。4番目の回答者は、アーサー・ディー・リトル・ジャパンの濵田 悠氏である。新型コロナウイルスの猛威の中で価値観と生活のあり様が大きく変わる可能性が出てきた。同氏は、こうした状況を鑑み、消費者すなわち住民に寄り添ってきた両社でなければできない新機軸での街づくりに期待している。
(記事構成は、伊藤元昭=エンライト)
濵田 悠(はまだ ゆう)
アーサー・ディ・リトル・ジャパン プリンシパル
アーサー・ディ・リトル・ジャパン プリンシパル

【質問1】自動車メーカーと通信サービスプロバイダーの協業体制の下で、いかなる価値を持つスマートシティーの情報基盤を築くべきだと思われますか?
【回答】 技術でなく人・社会オリエンテッドなデジタル街づくり基盤
【質問2】日本の巨大企業同士の組み合わせだからこそ生み出せるムーブメントは何だと思われますか?
【回答】真の社会実装に向けた機運の醸成(企業の本格投資、住民の街づくりへの議論の参画など)
【質問3】トヨタ自動車とNTTが創出する「スマートシティプラットフォーム」を、グローバルビジネスとして展開できる可能性があると思われますか?
【回答】「水平展開プロダクト×地域リレーション」の組み合わせでスケール獲得を