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 今回の新型コロナショックは、リーマン・ショックのような過去の経済的危機とは異質な点が多い。異なる点の1つに、これまで美徳とされてきた行動や価値観、習慣、作法、文化などの価値が、大きく揺さぶられていることが挙げられるのではないか。

 例えば、「営業は足で稼ぐものだ」と考えるセールスマンは多い。実際、顧客の下に足しげく通い、実績を上げる例も多いのだから地道な対面営業は効果的な手法ではあるのだろう。ところが、いまや顧客を直接訪ねることが禁じられ、営業の成果を上げる方法を考えざるを得なくなった。そして、セールスマンも顧客も、無批判でよしとしてきた対面営業が、本当に必要だったのか、直接会わないとできない取引とは何なのかを改めて考えなおすようになった。また、経済合理性を第一に考えた生産拠点集中による大量生産や在庫の最小化にリスクがあることもあからさまに見えるようになった。

 各回答者が属する業界・業種・立場から、新型コロナウイルスへの戦いで貢献できること、他業界に協力してほしいこと、ウィズコロナもしくはポストコロナを見据えて備えるべきことについて議論している今回のテクノ大喜利。3番目の回答者は服部コンサルティング インターナショナルの服部 毅氏である。同氏は、コロナ以前に無批判に受け入れてきた仕事の進め方やビジネス体制を見直すきっかけとすることを勧めている。そして、電子機器や半導体の生産に内在しているリスクや無駄を具体的に指摘した。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
服部 毅(はっとり たけし)
服部コンサルティング インターナショナル 代表
服部 毅(はっとり たけし) 大手電機メーカーに30年余り勤務し、半導体部門で基礎研究、デバイス・プロセス開発から量産ラインの歩留まり向上まで広範な業務を担当。この間、本社経営/研究企画業務、米国スタンフォード大学 留学、同 集積回路研究所客員研究員なども経験。2007年に技術・経営コンサルタント、国際技術ジャーナリストとして独立し現在に至る。The Electrochemical Society (ECS)フェロー・終身名誉会員。マイナビニュースや日経クロステックなどに、グローバルな見地から半導体・ハイテク産業動向を随時執筆中。近著に「メガトレンド半導体2014-2023(日経BP社)」「表面・界面技術ハンドブック(NTS社)」「半導体・MEMSのための超臨界流体」(コロナ社)がある(共に共著)。
【質問1】ご自身が属する業界・業種・立場の見地から、コロナショックへの対応で貢献できることは何だと思われますか?
【回答】半導体技術を応用した「lab-on-a-chip」で作る検査キットの実用化、医療機器向けやテレワーク向け半導体の優先供給、クリーンルームでのマスクや医療製品生産、ウイルス対策医療支援のための寄付
【質問2】ご自身の視座から見て、他業界の協力を仰ぎたいこと、考慮してほしいことは何ですか?
【回答】サプライチェーンの分散(生産部材の国内外の複数工場での生産)
【質問3】コロナショックの終息を見据えて、ご自身が属する業界・業種が備えておくべきこと、覚悟しておくべきことは何だと思われますか?
【回答】製造現場では自動化の推進、製造現場以外では勤務形態の革新