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 「世界が完全に変わってしまった」。これは、著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏が、同氏率いる米バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)の株主総会で、長年保有してきた航空機株を最近買い増した分を含めてすべて売却した理由を説明する中で語った言葉だ。同氏は、新型コロナ後にはコロナ前とは全く異なる世界になる可能性を感じているようだ。短期での業績や景気動向の浮き沈みには目もくれず、長期の成長性を見て投資することで知られる同氏の言葉だけに、新型コロナウイルスが世界経済に与える影響が、どれだけ非常事態であるのかが分かる。

 どんなに強く、成長性が期待できる企業でも、時代や社会の要請に最適化してビジネスの体制を整えている以上、事業環境が急変すれば何らかの危機にさらされる。全世界中の人々に非日常な生活、仕事を強いたコロナ禍は、長期的視野から見て常識では測れない事態が起こり得るほど大きな出来事だ。近年のIT業界や電子業界は、いわゆるGAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon.com、Microsoft)の動きを中心に回っていたといっても過言ではない。新型コロナの感染予防に向けてデジタルシフトが加速し、GAFAMには追い風が吹いているかのように見える。しかし、これら企業にも、何らかの付け入る隙が生まれるかもしれない。

 それぞれの回答者が属する業界・業種・立場から、コロナへの戦いで貢献できること、他業界に協力してほしいこと、ウィズコロナもしくはポストコロナを見据えて備えるべきことについて議論している今回のテクノ大喜利。6番目の回答者は、東海東京調査センターの石野雅彦氏である。同氏は、ITバブルの崩壊やリーマン・ショックなど、過去の経済的大乱の後にはIT業界や電子業界に新たな覇者が登場したことを振り返り、コロナショック後に登場する可能性のある新たな覇者を見定める視点を示唆している。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
石野 雅彦(いしの まさひこ)
東海東京調査センター シニアアナリスト
石野 雅彦(いしの まさひこ) 山一証券経済研究所、日本興業銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券を経て、東海東京調査センターのシニアアナリストとして半導体、ディスプレー、通信などテクノロジー企業および産業を対象にした調査・分析に従事している。
【質問1】ご自身が属する業界・業種・立場の見地から、コロナショックへの対応で貢献できることは何だと思われますか?
【回答】警鐘
【質問2】ご自身の視座から見て、他業界の協力を仰ぎたいこと、考慮してほしいことは何ですか?
【回答】モデル変革の認識
【質問3】コロナショックの終息を見据えて、ご自身が属する業界・業種が備えておくべきこと、覚悟しておくべきことは何だと思われますか?
【回答】自然淘汰