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 近年、国家プロジェクトの枠組みの中で、人工知能(AI)やIoT、ロボットを社会実装してその効果を検証する多くの実証実験が行われてきた。ただしその多くは、社会課題の解決策を探るという大義は掲げられているものの、技術を提供する側が、技術の普及を目指して、技術の特徴が生かせることを検証するテーマが選ばれていたように見える。

 ところが、コロナ禍によって、あらゆる業界の企業が、一様にデジタル・トランスフォーメーション(DX)の活用法を検討するようになった。これによって、世界規模のDXの思考実験・実証実験が図らずも行われることになった。この状態は、IT業界や電子業界など、DX向け技術を提供する業界から見れば、ユーザー側が率先して技術の活用法を真剣に考えてくれているようなものだ。いま、世の中にはDXに関する新たなニーズ、気づかなかったニーズがいたるところで顕在化している。

 コロナ禍によって図らずも追い風が吹いているIT業界や電子業界が、この機に仕掛けるべきことについて議論している今回のテクノ大喜利。3番目の回答者は、服部コンサルティング インターナショナルの服部 毅氏である。同氏は、DXを実践する側の企業や社会が求める、DXのあるべき姿が浮き彫りになってきていることを指摘している。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
服部 毅(はっとり たけし)
服部コンサルティング インターナショナル 代表
服部 毅(はっとり たけし) 大手電機メーカーに30年余り勤務し、半導体部門で基礎研究、デバイス・プロセス開発から量産ラインの歩留まり向上まで広範な業務を担当。この間、本社経営/研究企画業務、米国スタンフォード大学 留学、同 集積回路研究所客員研究員なども経験。2007年に技術・経営コンサルタント、国際技術ジャーナリストとして独立し現在に至る。The Electrochemical Society (ECS)フェロー・終身名誉会員。マイナビニュースや日経xTECHなどに、グローバルな見地から半導体・ハイテク産業動向を随時執筆中。近著に「メガトレンド半導体2014-2023(日経BP社)」「表面・界面技術ハンドブック(NTS社)」「半導体・MEMSのための超臨界流体」(コロナ社)がある(共に共著)。
【質問1】あなたの視座から見える、コロナ禍を機にデジタル化が急激に進むと思われる応用分野は何だと思われますか?
【回答】ビデオ会議や遠隔教育やネット金融取引など以前から準備されていた非対面業務
【質問2】あなたが属する業界・業種にある、この機に緩和しておいてほしい規制、改めてほしい商習慣などをお聞かせください。
【回答】書類の紙による保存・提出とか押印要求などアナログな商習慣や規制
【質問3】アフターコロナの時代を見据えて、IT産業または電子産業の企業は、どのような世界の実現を目指し、いま何を仕掛けておくべきだと思われますか?
【回答】人々の生活をより良い方向に変化させるために、DXを容易に効率よく活用できるような通信インフラの整備