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 現代社会では、世界中のあらゆる国や地域で、都市への人口集中が加速し続けてきた。なぜ、人は集まりたがるかといえば、人同士のつながりが密になることで社会機能や産業の営みが高効率化し、利便性や競争力が高まるからだ。ところが、ニューヨークやロンドンなど過密都市を中心に猛威を振るった新型コロナウィルスの災禍は、人の直接的なつながりを分断。新たな人のつながりのあり方が求められるようになった。そして、渋々リモートワークや遠隔授業などを利用していく中で、人が実際に集まらなくても利便性や競争力を高める方法があることに気づき始めた。

 コロナ禍によって図らずも追い風が吹いているIT業界や電子業界が、この機に仕掛けるべきことについて議論している今回のテクノ大喜利。4番目の回答者は、立命館アジア太平洋大学の中田行彦氏である。複数の大学で教鞭を執る同氏は、さまざまな遠隔授業の方法のメリットとデメリットを肌感覚で実感できる立場にいる。そして、遠隔授業をフル活用していく中で感じた、これまでの対面を前提とした働き方や授業では実現できない新たな可能性について論じている。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
中⽥ ⾏彦(なかた ゆきひこ)
⽴命館アジア太平洋⼤学 名誉教授
中⽥ ⾏彦(なかた ゆきひこ) 神⼾⼤学⼤学院卒業後、シャープに⼊社。以降、33年間勤務。液晶の研究開発に約12年、太陽電池の研究開発に約18年、その間、3年間、⽶国のシャープアメリカ研究所など⽶国勤務。2004年から⽴命館アジア太平洋⼤学の教授として、技術経営を教育・研究。2009年10⽉から2010年3⽉まで、⽶国スタンフォード⼤学客員教授。2015年7⽉から2018年6⽉まで、⽇本MOT学会企画委員⻑。2017年から⽴命館アジア太平洋⼤学 名誉教授・客員教授。京都在住。
【質問1】あなたの視座から見える、コロナ禍を機にデジタル化が急激に進むと思われる応用分野は何だと思われますか?
【回答】「RemoteTech」の応用が急速に進み、テレワークや遠隔授業など遠隔生活を発展させる。遠隔授業は、大人数や小グループ討論・発表などへと進化中
【質問2】あなたが属する業界・業種にある、この機に緩和しておいてほしい規制、改めてほしい商習慣などをお聞かせください。
【回答】テレワークを阻害する「日本的経営」の革新を期待する。ジョブ型雇用の導入には覚悟が必要
【質問3】アフターコロナの時代を見据えて、IT産業または電子産業の企業は、どのような世界の実現を目指し、いま何を仕掛けておくべきだと思われますか?
【回答】多様な人材を活用できる「ダイバーシティー社会」の実現を目指し、RemoteTechと日本的経営の革新を仕掛けておくべき