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 あのマスクが来ない、特別給付金のネット申請もできない、郵送で書類を送っても一向に音沙汰がない・・・。新型コロナウィルス対策に伴う補償業務では、迅速に対応する諸外国を尻目に、日本の行政システムのお粗末さだけが目立っている。日本の行政では、デジタル化が進んでいないことを懸念する声はこれまでにもあった。しかし今回、これが全国民に生活の維持を脅かすほどの実害をもたらす危険な状況にあることを知らしめた。さすがに今後は、国内で行政のデジタル化関連の情報化投資が急激に進むことになるだろう。

 コロナ禍によって図らずも追い風が吹いている業界の企業が、この機に仕掛けるべきことについて議論している今回のテクノ大喜利。6番目の回答者は、行政手続きを効率化するウェブサービスやソリューションを提供するベンチャー企業、グラファーの石井大地氏である。同氏は、オンラインでの特別給付金の申請手続きが混乱した背景を分かりやすく解説。今回、行政システムの古さによる弊害を解消するためのポイントを提示している。IT業界や電子業界に従事する人にとっては、近々、どのような需要が喚起されるのかを洞察する際のヒントとなることだろう。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
石井 大地(いしい だいち)
グラファー 代表取締役CEO
石井 大地(いしい だいち) 東京大学医学部に進学後、文学部に転じ卒業。2011年に第48回文藝賞(河出書房新社主催)を受賞し、小説家としてプロデビュー。複数社の起業・経営、スタートアップ企業での事業立ち上げ等に関わったのち、リクルートホールディングス メディア&ソリューションSBUにて、事業戦略の策定及び国内外のテクノロジー企業への事業開発投資を手掛けたのち、2017年にグラファーを創業。
【質問1】あなたの視座から見える、コロナ禍を機にデジタル化が急激に進むと思われる応用分野は何だと思われますか?
【回答】国および地方自治体の行政サービスの業務フロー全般
【質問2】あなたが属する業界・業種にある、この機に緩和しておいてほしい規制、改めてほしい商習慣などをお聞かせください。
【回答】自治体におけるパブリック・クラウドの利用制限
【質問3】アフターコロナの時代を見据えて、IT産業または電子産業の企業は、どのような世界の実現を目指し、いま何を仕掛けておくべきだと思われますか?
【回答】業務や法制度の徹底的な理解と明文化