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 日本人が米中の分断を論じる際、当たり前のように、日本は米国側の陣営に属していることを前提に話しがちだ。しかし、冷静に考えて、米国は日本のことを全幅の信頼を置ける存在と見ているのだろうか。米中のハイテク覇権争いによる日本への影響を考える場合には、まずこの点を疑ってみる必要がある。

 これまで日本企業は、製造装置や材料では世界をリードする技術力を保有しているものの、デバイス生産では存在感が薄いため、米中双方に広がるグローバルなサプライチェーンの中で居場所を探してきた。米中間で激しい争いが起きても、上手に立ち回れば、逆においしいビジネスを展開できる可能性がありそうな気もする。しかし実際には、そんな甘い見通しは通用せず、米中共にそんな日本の状態を許すはずがない。

 米中の覇権争いによって世界の電子機器のサプライチェーンが新たな枠組みへと移行することを見据えて、関係企業に及ぶ影響について議論している今回のテクノ大喜利。2番目の回答者は、元 某ハイテクメーカーの半導体産業OB氏である。同氏は、米国が中国との覇権争いに臨むために施行する規制の数々を精査し、日本企業が置かれている状況を冷静に分析した。そこから導き出される結論は、早期に的確な対応策を打ち出さない限り、限りなく暗いものになりそうだ。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
半導体産業OB(はんどうたいさんぎょうOB)
某社リサーチャー
半導体産業OB(はんどうたいさんぎょうOB) 半導体産業をはじめとする電子産業全般で豊富な知見を持つ某ハイテクメーカーのOB。某国公認会計士でもある。現在は某社でリサーチャーを務め、市場の動きをつぶさにウォッチしている。
【質問1】世界の半導体サプライチェーンが分断されることで、どのような企業が追い風を受け、どのような機会を得ると思われますか?
【回答】米国系の半導体製造装置メーカーの逆襲が始まる
【質問2】どのような企業が逆風を受け、いかなる影響を受けると思われますか?
【回答】日系ハイテクメーカー、特に製造装置のシェア低下
【質問3】日本の半導体関連企業には、どのような影響が及ぶと思われますか?
【回答】短期的な景気浮揚の後、日本のハイテク業界はせん滅される