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 外出する際、天気予報が降水確率70%であることを知りながら、実際に雨が降るのか降らないのか確認できるまで待ってから、出掛ける人がいたらどうだろう。おそらく、その人はいつまでたっても外出できないし、外出を決めるのは傘が確実に必要になる雨の場合だけだろう。近い将来に起こる事態のリスクがある程度予想されながら、リスクの確度と程度が定まるまで経過観察を決め込むのは、少なくともビジネスをする上では愚策ではないか。

 米中の覇権争いによって世界の電子機器のサプライチェーンが新たな枠組みへと移行することを見据えて、関係企業に及ぶ影響について議論している今回のテクノ大喜利。4番目の回答者は、Grossbergの大山 聡氏である。同氏は、米中の覇権争いによる半導体サプライチェーンの変化は、地震など自然災害と違って事前に起きることが予測可能な災害だとする。つまり、変化によって不利益を被る企業と利益のある企業がそれぞれ出てくるが、実際のビジネスにいかなる影響が及ぶかは、各社の分析力と対応力次第という。この点では、最も不利益を得ると思われる中国ファーウェイ(Huawei)も同様であり、対応策はいくらでもあることを指摘している。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
大山 聡(おおやま さとる)
Grossberg 代表
大山 聡(おおやま さとる) 1985年東京エレクトロン入社。1996年から2004年までABNアムロ証券、リーマンブラザーズ証券などで産業エレクトロニクス分野のアナリストを務めた後、富士通に転職、半導体部門の経営戦略に従事。2010年よりIHS Markitで、半導体をはじめとしたエレクトロニクス分野全般の調査・分析を担当。2017年9月に同社を退社し、同年10月からコンサルティング会社Grossberg合同会社に専任。
【質問1】世界の半導体サプライチェーンが分断されることで、どのような企業が追い風を受け、どのような機会を得ると思われますか?
【回答】業界2番手、3番手の企業に、リスクヘッジ要因として注目が集まるケースが考えられる
【質問2】どのような企業が逆風を受け、いかなる影響を受けると思われますか?
【回答】分断の対象となる企業。またはその企業への依存度が高過ぎるユーザーがいれば、代替案を準備するのに時間を要する場合がある
【質問3】日本の半導体関連企業には、どのような影響が及ぶと思われますか?
【回答】グローバル市場で戦っている日系企業には、一時的に需要や顧客層が変動するリスクに直面する可能性がある