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 パソコンやサーバー、スマートフォンなどを開発・生産する機器メーカーやIT企業が、一斉に独自チップの開発に走っている。サービス開発、機器開発、半導体開発をそれぞれ専業とする企業が分担する水平分業型の産業構造を取る分野で広がっている点に、注目が集まっている。

 米Apple(アップル)は、同社のパソコン「Mac」に自社開発のプロセッサー「Apple Silicon」を搭載していくことを明らかにした。これによって同社は、ほぼすべての製品の中核に置くプロセッサーを自社開発することになり、米Intel(インテル)は大きな顧客を失うことになった。また、スマートフォンの分野では、米国では米Google(グーグル)が、中国ではHuawei(ファーウェイ)に続きVivo(ビーボ)、Oppo(オッポ)などが、スマートフォン向けSoCを自社開発することを表明。これによって、米Qualcomm(クアルコム)は大きな顧客を失う可能性が出てきた。

 今回のテクノ大喜利では、独自チップ開発が拡大していく潮流を見据えて、電子産業における開発と生産のフレームワークが今後どのように変わっていくかについて議論した。最初の回答者は元 某ハイテクメーカーの半導体産業OB氏である。機器メーカーなどによる独自チップ開発の動きがより活発化し、ファウンドリーの王者である台湾TSMCの存在感がますます大きくなる可能性が高い。同氏は、この点を踏まえて、他の半導体メーカーがどのようにビジネスの場を確保していくべきなのか考察した。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
半導体産業OB(はんどうたいさんぎょうOB)
某社リサーチャー
半導体産業OB(はんどうたいさんぎょうOB) 半導体産業をはじめとする電子産業全般で豊富な知見を持つ某ハイテクメーカーのOB。某国公認会計士でもある。現在は某社でリサーチャーを務め、市場の動きをつぶさにウオッチしている。
【質問1】独自チップ開発は、機器メーカーやIT企業の競争力を高めるための論点として、今後定着していくと思われますか?
【回答】時代は変わった。定着する
【質問2】独自チップ開発の動きは、パソコン、サーバー、スマートフォン、ゲーム機以外の分野にも広がっていくと思われますか?
【回答】広がっていく
【質問3】仮に、独自チップ開発の動きが拡大・定着することで、プロセッサーやSoCを扱う半導体専業メーカーのビジネスはどのように変わると思われますか?
【回答】半導体専業メーカーに未来などない。でも、あえて考えてみる