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 米中対立による世界経済のブロック化懸念から、中国ビジネスの継続にリスクを感じる日本企業が増えてきている。そして、このまま対立の深刻化が進めば、最悪、中国ビジネスからの撤退も視野に入れた、何らかの備えも想定しておく必要が出てきそうな状況だ。

 古来より、攻める戦いより、退く戦いの方がはるかに難しいと言われる。特に中国は、関係が良好な時代にも、撤退の難しさが指摘されていた。上手に撤退しないと、撤退自体で大きなリスクを抱え、ビジネスに深手を負う可能性もある。

 現時点で、大きく育ち、なおかつ成長の可能性を持つ中国ビジネスから直ちに撤退するのは早計かもしれない。しかし、撤退のタイミングや方法について、シミュレーションしておく必要はありそうだ。そこで今回のテクノ大喜利では、中国ビジネスの行方と撤退が避けられなくなった際の方策について議論した。最初の回答者は、アーサー・ディ・リトル・ジャパンの三ツ谷翔太氏である。同氏は、現時点は安易に撤退を論じる時期ではなく、まずは中国に拠点を置く意義を再考して進退を熟慮すべきだとしている。

(記事構成:伊藤 元昭=エンライト
三ツ谷 翔太(みつや しょうた)
アーサー・ディ・リトル・ジャパン パートナー
三ツ谷 翔太(みつや しょうた) 世界最初の経営戦略コンサルファームであるアーサー・ディ・リトルにて、エレクトロニクス産業を中心とした製造業に対する新規事業戦略・研究開発戦略・知財戦略の立案支援、ならびに経済産業省を中心とした官公庁に対する産業政策の立案支援に従事。GAFAに代表されるグローバルプラットフォーマーが独占的地位を得る時代から、自律分散型の企業モデルが息を吹き返す時代への移行を見通した、フラグメント化する世界 ーGAFAの先へーを日経BP社から出版(共著)。
【質問1】現在の中国でのビジネス環境を俯瞰(ふかん)して、日本の製造業企業は、撤退も含めた事業縮小を念頭に置くべき状況にあると思われますか?
【回答】安易な撤退ではなく、中国拠点の意義の再考が重要
【質問2】仮に、中国ビジネスからの撤退を想定した備えを検討する際、撤退リスクとして日本の製造業企業が留意すべきことは何でしょうか?
【回答】撤退そのものの難しさと、撤退による関係性資源の喪失
【質問3】中国ビジネスの環境がどのような状況になった時、撤退を決断すべきだと思われますか?
【回答】各社にとっての中国の意義を踏まえた判断が必要