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 海外の企業が中国に進出する際には、政治体制の違いに起因する、他の国や地域に進出する場合とは異なる法制度上のさまざまな条件がつく。その中には、日本の一般的な常識では思いもしなかったようなものも多い。中国でビジネスをする際には、こうした中国固有の法制度を知った上での万全の備えが欠かせない。

 米中の覇権争いによって不透明さを増す中国ビジネスの行方と撤退が避けられなくなった際の方策について議論している今回のテクノ大喜利。3番目の回答者は、中国ビジネスを手がける日系企業を支援する経営コンサルタントであるIBJコンサルティングの前川晃廣氏である。同氏はもともと、中国進出の際には制度上、撤退とセットで考えておくべきであることを指摘。その上で撤退時に発生するリスクを具体的に挙げて、事前にシミュレーションしておくことの大切さを訴えている。

(記事構成:伊藤 元昭=エンライト
前川 晃廣(まえかわ あきひろ)
IBJコンサルティング 代表
前川 晃廣(まえかわ あきひろ) 1964年四国・松山生まれ、1981年高校2年で初訪中。1987年上海復旦大学国際政治学部へ1年間国費留学、1989年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。同年日本興業銀行(IBJ)に入行し大阪支店・中国委員会・外国為替部・上海支店課長・広州事務所首席を歴任。2008年銀行を退職しコンサルティング業に。2016年IBJコンサルティングおよび愛碧界諮詢有限公司の代表に就任。近著に『中国現地法人の出口戦略と撤退実務』『中国現地法人売却M&Aの実務』(きんざい)。
【質問1】現在の中国でのビジネス環境を俯瞰(ふかん)して、日本の製造業企業は、撤退も含めた事業縮小を念頭に置くべき状況にあると思われますか?
【回答】営業許可から50年経過時点で必ず撤退するとの前提で、折り返しである25年目までには、「人生の後半」を見据えた施策を考えることが必要
【質問2】仮に、中国ビジネスからの撤退を想定した備えを検討する際、撤退リスクとして日本の製造業企業が留意すべきことは何でしょうか?
【回答】技術のブラックボックスの管理と撤収を徹底すること
【質問3】中国ビジネスの環境がどのような状況になった時、撤退を決断すべきだと思われますか?
【回答】中国現法はスクラップ&ビルド。必要になればまた設立すればよい、と考えるべきだ