米Intel(インテル)CEO(最高経営責任者)のRobert Swan氏は、7月23日に開催された決算発表会で、独自のプロセス技術を立ち上げられない見通しが出てきた場合、必ずしも自前のプロセスにこだわらない方針を明らかにした。これまで、設計と製造を融合させたIDM(Integrated Device Manufacturer)という事業形態にこだわり続けてきた同社が歴史的な岐路に立っている。
半導体業界にとって、Intelは特別な会社である。特に製造プロセスの開発では長年にわたって同社が最先端半導体製造をけん引する立場にいた。電子業界やIT業界の進歩を裏で支えた「ムーアの法則」の守護者だった。ところが近年、10nmプロセスの立ち上げの相次ぐ後れ、さらには続く7nmプロセスを使ったプロセッサーの開発でもつまずくなど、すっかり精彩を欠いている。製造技術では台湾TSMC(台湾積体電路製造)の、マイクロプロセッサーの性能でも米AMDに後れをとる状況が常態化しつつある。
今回のテクノ大喜利では、Intelが「ファブレス半導体メーカー」になると仮定し、同社が独自プロセス技術による製造をしなくなることが半導体業界に与える影響について議論した。最初の回答者は、Grossbergの大山 聡氏である。同氏はIntelの現状を鑑み、米中覇権争いで戦略物資となる半導体の自国生産にこだわる米国政府が、本来米国半導体業界のエースとして先頭で戦うべき立場だったIntelに肩たたきをした可能性を示唆している。
Grossberg 代表
