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 長い歴史を持つ製造業企業には、なぜそのような方法が選ばれているのか分からない伝統的な作業手順や意思決定の指針などがあることが多い。それらの多くは、かつてその企業が成長した際に決めたルールの遺物である。事業環境や技術トレンドが変われば、当然ルールは変わってしかるべきだ。しかし、ルールを定めた人が会社からいなくなった後にも無批判に守り続け、妥当性があるのかよく分からないまま、成功体験の殻だけをまとって存在し続けていることが多い。そんな伝統がある企業は、日本には特に多いのではないか。

 最近、技術開発と事業の両面で精彩を欠くかつての半導体の盟主、米Intel(インテル)が、仮にファブレス半導体メーカーになったら、半導体業界にどのような影響が及ぶのか議論している今回のテクノ大喜利。2番目の回答者は、元 某ハイテクメーカーの半導体産業OB氏である。同氏は、かつての同社の強みが現在はどの程度維持されているかを分析すると共に、衰退を招いた最大の要因をズバリ指摘している。日本の製造業企業が他山の石とすべきものだ。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
半導体産業OB(はんどうたいさんぎょうOB)
某社リサーチャー
半導体産業OB(はんどうたいさんぎょうOB) 半導体産業をはじめとする電子産業全般で豊富な知見を持つ某ハイテクメーカーのOB。某国公認会計士でもある。現在は某社でリサーチャーを務め、市場の動きをつぶさにウォッチしている。
【質問1】仮にIntelがファブレスになったとして、同社のビジネス競争力が今よりも強化されると思われますか?
【回答】強化どころか、ファブレス化は自壊したIntel帝国の成れの果て
【質問2】Intelがファブレスになることで、得をする半導体メーカーはどこだと思われますか?
【回答】TSMC
【質問3】Intelがファブレス半導体メーカーになった時、IT業界や電子業界、半導体業界にどのような影響が及ぶと思われますか?
【回答】一部の企業は事業存続の危機。別の一部の企業には恩恵。そして長期的には業界は衰弱