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NTTは2020年9月29日、NTTドコモをTOB(株式公開買い付け)によって完全子会社すると発表し、11月17日にTOBが成立した。ドコモの株式を100%保有することでNTTの意図に合った経営ができるようになる。NTTは、完全子会社化の目的を、ドコモの競争力強化・成長とNTTグループ全体の成長と説明している。
これまでドコモは、NTTと一線を画した経営で、モバイル通信の成長と共に成長した人材が今のビジネスを作ってきた。そこに電電公社時代の文化が色濃く残るNTTの意向が強く働くことを懸念する声が社内外にあるようだ。その一方で、モバイル・固定をまたがるコアネットワークの技術開発が強化されることに期待する声もある。
ともあれ、今回の完全子会社化によって、日本の通信業界の環境が大きく変わる可能性がある。そこで今回のテクノ大喜利では、ドコモの完全子会社化の動きが日本の通信業界に与える影響について議論した。最初の回答者は、Grossbergの大山 聡氏である。同氏は、親子上場のデメリットを再確認し、その状態を脱することによって開くビジネスの可能性を論じている。
(記事構成は伊藤 元昭=エンライト)
大山 聡(おおやま さとる)
Grossberg 代表
Grossberg 代表

【質問1】NTTがドコモを完全子会社化したことで、NTTグループの競争力は高まると思われますか?
【回答】可能性は十分にある
【質問2】今回のドコモ完全子会社化で、移動体・固定通信の技術開発における国際競争力は高まると思われますか?
【回答】思わない
【質問3】NTTグループ以外で、ドコモの完全子会社化による恩恵を最も大きく受ける企業はどこだと思われますか?
【回答】国内で5Gなどを活用してサービスを提供しようとする事業会社