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 2020年、日本でも第5世代移動通信システム(5G)の本格的なサービスが始まった。2時間の映画をたった3秒でダウンロードできる、無数のIoT(Internet of Things)デバイスを接続できる、遠隔手術が実現する。5Gの優位性をアピールする際には、こうしたアプリケーション例が喧(けん)伝された。ただし、こうしたアプリケーションは、5G対応の基地局が設置されるだけでは実現しない。基地局の先をつなぐ固定の高速光通信も、併せて高速化・大容量化・低遅延化させる必要がある。通信サービスのビジネスに関しても同様だ。移動体通信と固定通信の性能を同時に引き上げ、通信システム全体の性能を向上し、なおかつそこにコストメリットも提示できないと厳しい競争に勝つことができない。特に、世界市場で勝負する際には、なおさらこの点が重要になってくる。

 日本電信電話(NTT)によるNTTドコモの完全子会社化の動きが、日本の通信業界に与える影響について議論している今回のテクノ大喜利。3番目の回答者は、東海東京調査センターの石野雅彦氏である。同氏は、NTTによるNTTドコモの完全子会社化の成否は、ひとえに移動体通信と固定通信の技術とビジネスの融合によって同グループが掲げる「B2B2Xモデル」が実現できるか否かにかかっているとしている。

(記事構成は伊藤 元昭=エンライト
石野 雅彦(いしの まさひこ)
東海東京調査センター シニアアナリスト
石野 雅彦(いしの まさひこ) 山一証券経済研究所、日本興業銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券を経て、東海東京調査センターのシニアアナリストとして半導体、ディスプレー、通信などテクノロジー企業および産業を対象にした調査・分析に従事している。
【質問1】NTTがドコモを完全子会社化したことで、NTTグループの競争力は高まると思われますか?
【回答】通信分野では高まるが、AI/IoT/金融分野では不透明
【質問2】今回のドコモ完全子会社化で、移動体・固定通信の技術開発における国際競争力は高まると思われますか?
【回答】「B2B2Xモデル」が実現し、IOWNが普及すれば高まる
【質問3】NTTグループ以外で、ドコモの完全子会社化による恩恵を最も大きく受ける企業はどこだと思われますか?
【回答】 NEC、トヨタ自動車