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 新型コロナ禍の中、多くの業界の企業が業績を落としている。ところが、3密を避ける生活様式での巣ごもり需要やテレワーク関連需要の高まりで、半導体業界においてはむしろ追い風が吹いていたという話をよく聞く。確かに、生産実績を見た限りでは、2020年に市場が拡大した稀有(けう)な業界であり、半導体に追い風が吹いたという話には一定の説得力を感じる。しかし、本当にそうなのだろうか。

 もともと2020年は、それ以前に凍結されていたデータセンター関連の設備投資の再開などが見込まれ、大活況になるという見方があった。そして、そもそも半導体製造には、予定外の急激な需要が生まれたからといって、迅速に生産量を拡大させられるほどの柔軟性はない。2021年以降の半導体市場の状況を読む際、2020年の市場の伸びに対するコロナ禍の影響を慎重に精査しないと見誤ることになるかもしれない。

 さまざまな視座から2021年の潮流を読む回答者の方々に、注目するトレンドについて聞いている今回のテクノ大喜利。2番目の回答者は、Grossbergの大山 聡氏である。同氏は、半導体の中でも特に需給の状況が市況に影響されやすいメモリーでは、2020年には、当初見込まれただけの伸びを達成できなかったとみている。そして、そのことを前提にして、2021年のメモリー市況の行方を考察した。

(記事構成は伊藤 元昭=エンライト
大山 聡(おおやま さとる)
Grossberg 代表
大山 聡(おおやま さとる) 1985年東京エレクトロン入社。1996年から2004年までABNアムロ証券、リーマン・ブラザーズ証券などで産業エレクトロニクス分野のアナリストを務めた後、富士通に転職、半導体部門の経営戦略に従事。2010年よりIHS Markitで、半導体をはじめとしたエレクトロニクス分野全般の調査・分析を担当。2017年9月に同社を退社し、同年10月からコンサルティング会社Grossberg合同会社に専任。
【質問1】2020年に起きた電子産業の出来事の中で、最も驚きを感じた動きをお聞かせください。
【回答】 TSMCが米国に最先端ファブの建設を決めたこと
【質問2】2021年に、注目しているビジネストレンドをお聞かせください。
【回答】メモリー市場の動向
【質問3】2021年に、注目している技術トレンドをお聞かせください。
【回答】5G市場の立ち上がり方