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 2020年の半導体業界で特に目立った動きの1つに、巨大IT企業や自動車メーカーによる独自チップの開発がある。2020年暮れには、米Apple(アップル)が独自プロセッサー「M1」を搭載したパソコンを市場投入し、業界標準のCPUである米Intel(インテル)の「x86」を搭載したパソコンを性能でも消費電力でも圧倒し話題となった。

 微細加工技術の進歩による性能向上をチップユーザーに確約してきた「Mooreの法則」に陰りが見え、チップの独自開発をしないと付加価値を生み出す性能向上が実現できなくなってきた。M1の成功は、独自チップ路線に大きな伸びしろがあることを示したものだ。では、独自チップ開発が定常化してくると、その先にはどのような技術トレンドが生まれてくる可能性があるのだろうか。

 さまざまな視座から2021年の潮流を読む回答者の方々に、注目するトレンドについて聞いている今回のテクノ大喜利。3番目の回答者は、MTElectroResearchの田口眞男氏である。同氏は、2021年に注目すべき技術開発の新潮流として、独自チップ開発の向こう側にある、これまで夢であったソフトウエアとハードウエアの双方を独自開発する究極のアーキテクチャーを挙げている。

(記事構成は伊藤 元昭=エンライト
田口 眞男(たぐち まさお)
MTElectroResearch 代表
田口 眞男(たぐち まさお) 1976年に富士通研究所に入社とともに半導体デバイスの研究に従事。1988年から富士通で先端DRAMの開発・設計に従事。メモリーセル、高速入出力回路や電源回路などアナログ系の回路を手掛ける。2003年、富士通・AMDによる合弁会社FASL LLCのChief Scientistとなり米国開発チームを率いてReRAM(抵抗変化型メモリー)技術の開発に従事。2007年からSpansion Japan代表取締役社長、2009年には会社更生のため経営者管財人を拝受。エルピーダメモリ技術顧問を経て2011年10月より慶應義塾大学特任教授、2017年4月より同大学の先端科学技術研究センター研究員。技術開発とコンサルティングを請け負うMTElectroResearchを主宰。
【質問1】2020年に起きた電子産業の出来事の中で、最も驚きを感じた動きをお聞かせください。
【回答】 Intelの変調
【質問2】2021年に、注目しているビジネストレンドをお聞かせください。
【回答】さらなるM&A旋風とリモートをキーワードとするビジネス
【質問3】2021年に、注目している技術トレンドをお聞かせください。
【回答】動的再構成可能なプロセッサーの動向