人工知能(AI)やビッグデータ解析、IoTなど先進的な情報処理技術を駆使して、社会課題を解決する取り組みが活発化している。21世紀以降、地球温暖化、自然環境の破壊、貧困、格差など、人類が一丸となって取り組まないと、現状の生活や産業、社会の維持すらままならなくなる問題が顕在化してきているからだ。
国連は、「持続可能な開発目標(SDGs)」として17の目標を掲げ、顕在化した課題の解決に向けた取り組みを推し進めている。SDGsでは、「目標とターゲットが、すべての国、すべての人々、およびすべての部分で満たされるよう、誰一人として取り残さない」という理念、言い換えればすべての人のしあわせを追求する社会を目指すという理念を基底に置いている。ただし、世界は広い。一人ひとりがしあわせと感じる状況、価値観は多様だ。十把一絡げの画一的な施策を世界中の人々に強いたとしても、目標の達成は困難だろう。一人ひとりに寄り添う施策をいかにして実践していくか。ここに、人の価値観や行動を洞察する高度な情報処理技術の使いどころがあるように思える。
さまざまな視座から2021年の潮流を読む回答者の方々に、注目するトレンドについて聞いているテクノ大喜利。今回の回答者は、ローランド・ベルガーの貝瀬 斉氏である。同氏はコロナ禍で行動を制限される中、自分らしさを再認識した人々の姿から、改めて人の価値観が多様であることを指摘している。誰一人として取り残すことのないしあわせの追求に向けたテクノロジーの発展を2021年の注目点として挙げている。
ローランド・ベルガー パートナー
