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【質問2】日本企業による海外企業のM&Aが失敗しがちな理由は、どこにあると思われますか?
【回答】日本と海外の企業文化の違いの認識不足や日本の企業文化の押し付け

 海外企業のM&Aに関する文献をひもとくと、失敗の理由としては、異常なほど高価な買収価格、費用対効果のなさ、ゴールの不明確さ、買収後の放置(M&A自体が目的化)、簿外債務の見落とし、仲介コンサルティング会社の言いなり、などなど、さまざまな項目が挙げられている。これらは、海外・国内問わず、買収全般に言えるものばかりである。著者は、狩猟民族的発想の海外企業と農耕民族的発想の日本企業の、長年にわたり育まれてきた文化・文明の違いの認識不足によるところが大きいと思う。

 日本企業特有の「相互信頼」「共存共栄」「運命共同体」としての「和の精神」などの日本的発想で、相手も同じように考え行動してくれるだろうと思っているととんでもない結果を招くことがある。

 かつてソニーが米Columbia Pictures Industries(コロンビア ピクチャーズ)を買収した際、コロンビア側の共同経営者2人に任せた途端に、私用プライベートジェット機や大豪邸を買いあさってぜいたくの限りを尽くし、オフィスビルも豪華に大改装したり、ディズニーランド並みのソニーランドを造ろうとしたりと、私利私欲まみれの好き放題の事業経営を行ってソニーに大損害をもたらした。国際企業といわれるソニーでさえこんな失敗を繰り返して今日に至っている。