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 イノベーションの創出を促す方法として、異分野の人材を集めて知識の融合を図る「共創」と呼ばれる方法がある。共創は、何も専門分野間の知恵の融合だけでなく、世代間の知恵の融合という側面もあるだろう。シニアは時代をリードする技術や価値観の知識や知見では若い世代に劣るが、新ビジネスの創出や新製品の開発で必要になる知識や知恵はたくさん持っている。しかも、長年業務を遂行する中で、こうした知識の融合の重要性を知り、その方法論に熟達した人も多い。

 電子産業で技術畑のシニア人材を活用する意義と採るべき方法について議論している今回のテクノ大喜利。6番目の回答者は、元 某ハイテクメーカーの半導体産業OB氏である。同氏は、融合知の実践を後押しする役割としてのシニア人材の価値を論じている。

(記事構成は伊藤 元昭=エンライト)
半導体産業OB(はんどうたいさんぎょうOB)
某社リサーチャー
半導体産業OB(はんどうたいさんぎょうOB) 半導体産業をはじめとする電子産業全般で豊富な知見を持つ某ハイテクメーカーのOB。某国公認会計士でもある。現在は某社でリサーチャーを務め、市場の動きをつぶさにウォッチしている。
【質問1】いま、電子産業出身のシニア人材の活躍に対する期待が、特に高まっている産業・業種はどこだと思われますか?
【回答】文系職業

 電子産業出身のシニアの経験は、様々な分野で活用できる。特に、現在の成長産業、注目産業である量子技術、暗号資産、スマートフォンなどに関連する産業を理解する上で、そして周囲に理解させる上で、電子産業のシニアの知識は非常に重宝する。

 シニアが、ビジネスに変に口出しし、時に妨害し、若者を潰しなどということをするから、老害などと言われて煙たがられるのである。純粋に若手の教育、啓発活動に集中すれば、尊敬され、重宝されること間違いない。

 そして、社内で教育を担うのではなく、専門職として従事できるのは、(1)大学講師(既に大量に進出しているが)、(2)技術系の出版社、(3)金融業界の調査部門(今は若手か業界経験者しか採用していないが)、(4)コンサルティング業界の調査部門(若手オンリー、2年で退職だけど)、(5)専門性の高いマスコミなど。業界も、そういう人材を求めているので、ぜひ活躍してほしい。ただし、(3)、(4)は業界の方で、受け入れた後の登用について考え方を変えないといけない。