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 少子高齢化が年々進む日本では、シニア人材は、いやが応にも有効活用すべき資源だと言えよう。この期に及んで、活力ある若い人的資源が潤沢に獲得できるなどと考え、それを前提に企業戦略を描いていたのでは勘違いにもほどがある。少子高齢化ほど確実に見通しが当たる未来予測はなく、若い世代は確実に減り、シニアは確実に増えるのだ。

 逆に、豊富に調達できるシニア人材の活用を前提として新規事業の計画を描くと、思ってもみなかった優良ビジネスが生まれるかもしれない。何しろ、消費者側でもシニアが増えるのだから、同じ価値観を持つ製品企画担当や新製品開発者は重宝されることだろう。そして、日本以外の先進国でもシニアはどんどん増えてくる。意外に前途は明るいのではないか。

 電子産業で技術畑のシニア人材を活用する意義と取るべき方法について議論しているこのテクノ大喜利。今回の回答者は、外資系企業に向けた専門職派遣・転職支援サービスを提供しているエンワールド・ジャパンの星野ファビアン氏である。同氏は、派遣・転職市場の豊富な知見から、日本の少子高齢化社会を鑑みた近未来の日本の製造業の姿と、そこでのシニア人材と若手がフラットな立場で新たなビジネスに挑むための要件について語っている。

(記事構成は伊藤 元昭=エンライト)
星野ファビアン(ほしの ふぁびあん)
エンワールド・ジャパン シニアチームマネージャー
星野ファビアン(ほしの ふぁびあん) ドイツ出身、大学と大学院で日本経済、政治、社会を研究し修了後来日。2012年エンワールド・ジャパン入社。派遣を中心に、業務委託など有期雇用の採用・転職支援を専門とするコントラクト・プロフェッショナルズ事業部に配属。経理・財務、SCM・購買からスタートし、現在は金融業界、経理・財務とIT職種に特化。プロジェクトに必要なプロフェッショナル派遣の紹介をメインに行っている。企業と働く人の双方にとって新しい働き方を積極的に提案。リーダーシップと異文化コミュニケーションのスペシャリスト。
【質問1】いま、電子産業出身のシニア人材の活躍に対する期待が、特に高まっている産業・業種はどこだと思われますか?
【回答】半導体、特に外資系企業

 シニア人材の活用に特に注目が集まっているのが半導体業界である。昨今、多くの外資系半導体企業が積極的に日本に進出している。なかでも、シニア人材が脚光を浴びているのは設計職である。

 日系企業では若い人材を採用し、教育して数年後に戦力となってもらうことを目標としているケースが目立つ。一方、外資企業の採用では、入社後すぐ、いかに即戦力として活躍できる人材なのかが重要視される。その点で、経験が豊富で、さまざまなスキルを持ち合わせているシニア人材の需要が高まっている。

 また、健康寿命が伸びたことや日本の定年年齢の引き上げを背景に、労働者の年齢にかかわらず、今後どれだけ長期で活躍してくれるかという視点で採用する企業が増えてきている。これからの時代、シニア人材の活躍の場はさらに広がっていくことだろう。