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 「中国製造2025」の一丁目一番地とも言える中国の半導体産業の成長路線――。中国では、2025年までに半導体自給率を70%にまで高めることを目指して、官民を挙げて継続的に大型投資をしてきた。ところが、ここに来て、無謀な巨額投資のツケと米中ハイテク覇権争いの影響が、一気に顕在化してきている印象がある。

 2021年7月9日には、中国の半導体産業振興のメインエンジンと言えた清華紫光集団に対して、債権者が裁判所に、破産による再編手続きを進めるよう申請した。同集団は、清華大学が51%出資する半国有企業であり、中国の半導体完全国産化計画をけん引する役割を担う企業である。傘下には、NAND型フラッシュメモリーを手掛けるYMTC(長江存儲科技)をはじめとして、数多くの有力企業を擁している。さらに、過去には米Micron Technology(マイクロン・テクノロジー)やキオクシア(旧東芝メモリ)、韓国SK Hynix(SKハイニックス)への買収提案など、派手なM&A(合併・吸収)を仕掛けたり、台湾TSMC、台湾MediaTek(メディアテック)、米Western Digital(ウエスタンデジタル)、ルネサスエレクトロニクスなどの株式の大量購入を試みるなど、隙あらば世界の有力企業への影響力を強める動きをしてきた。

 世界の半導体業界の今後を考えるうえで、中国の動きを無視することはできない。そこで今回は、紫光集団の動きを中心に、中国の半導体産業の行方について議論した。

【質問1】破産・再編によって、紫光集団の役割や存在感はどのように変化すると思われますか?
【質問2】資金難や米中ハイテク争いの影響で、中国の半導体国産化に向けた戦略・施策はどのような変化があると思われますか?
【質問3】中国の半導体産業を取り巻く環境が変化したことで、世界の半導体産業にはどのような影響が及ぶと思われますか?

 3つの質問に対するそれぞれの識者による回答要旨は、以下の表の通りだ。

表1 テクノ大喜利「破産・紫光集団からみる中国半導体の行方」回答まとめ
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表1 テクノ大喜利「破産・紫光集団からみる中国半導体の行方」回答まとめ