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 世界中で戦略物資としての半導体の重要性が再認識され、日本でも半導体産業の再興が望まれるようになった。ただし、話題になるのは台湾TSMCの研究開発拠点の設置や熊本県での工場建設、米Micron Technology(マイクロン・テクノロジー)による広島での新DRAM工場建設といった海外企業の日本での取り組みが中心だ。一体、日本の半導体メーカーは何をしているのかと思う人も多いことだろう。

 そんな中、日本のロジック半導体の代表メーカーであるルネサス エレクトロニクスの直近の業績が、半導体産業の活況などを背景に上向いている。2021年12月期第2四半期(4~6月)の業績では、想定を上回る増収増益を達成し、さらに上期時点でのデザインインが、オートモーティブ事業では年間目標4000億円強の約8割、IoT・インフラ事業で同6000億円強に対する約5割と順調だという。同社の社長兼CEOの柴田英利氏は、直近の好調さの要因の一つとして、これまで推進してきたM&Aで得た製品・技術・人材の効果を挙げている。

 苛烈なリストラを経て、積極的なM&Aを推進し、事業体制を再構築してきた同社は、狙う市場・戦略が徐々に明確になってきたように見える。日本の半導体産業の行方を考えるうえで、同社の今後の舵取りは気になるところだ。今回のテクノ大喜利では、半導体業界を取り巻くビジネス環境の変化を念頭に置いて、現時点でのルネサスの取り組みと明日への進路について評価・議論した。

【質問1】これまでにルネサスが実施したM&Aによって、世界の競合に勝つ事業体制が確立できたと思われますか?
【質問2】ルネサスが車載・産業・インフラの領域での「エッジの覇者」を目指すために、同社が実践すべき戦略・施策、または解決すべき課題は何だと思われますか?
【質問3】日本での半導体産業の再興、ひいては産業競争力の強化に向けて、同社に期待したい役割・機能をお聞かせください。

 3つの質問に対するそれぞれの識者による回答要旨は、以下の表の通りだ。

表1 テクノ大喜利「ルネサスの明日に向けた通信簿」回答まとめ
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表1 テクノ大喜利「ルネサスの明日に向けた通信簿」回答まとめ