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 みずほ証券は、大型液晶パネルの需給予想モデルを見直した(前回の予測記事「底入れ近づく大型液晶パネル需給、18年は緩衝期」)。現時点の結論は以下の通りである。

 供給過剰局面はいったん底打ち。ただし2018年2Qまでパネル価格下落は続き、モメンタムは底ばいが続く。その後、徐々に改善を見込むが、2019年には中国BOE、中国CSOTのG10.5工場の供給増により、2020年まで構造的な供給過剰局面が続く。面積需要の伸び率はテレビの大型化が継続したとしても前年比5%増(±2%)程度と予想される一方で、2019年~2020年は生産能力が前年比2桁増となるためである。長期化する供給過剰局面においては、業界再編もあり得るだろう。

 当然のことながら、大型パネルメーカーを取り巻く環境は総じて厳しい。技術力、顧客ベース、政府からの支援などを考えると、相対的には中国勢(特にBOEとCSOT)および技術や顧客基盤で優位な台湾AUオプトロニクス、韓国LGディスプレイに有利とみる。韓国サムスンディスプレイはQD-OLED(量子ドットOLED)に舵を切る可能性が高まっており、ダークホースである。

 現時点ではLGディスプレイのみがG10.5のOLEDに投資する計画だが、中長期的な観点では、中国勢もG10.5工場をOLEDに転換する可能性がある。そう考える背景は、LCDとOLEDの両方の生産能力を持てること、バックプレーンのTFT基板をアモルファスSiからOxideベースに転換するためマスク数の多さから生産能力が減少、結果として供給過剰状態の創出を回避できる、などである。ただし、技術面での課題は多い。JOLEDのような、中国企業にとっての海外企業から何らかの技術移転が必要になる可能性も併せて指摘できる。

 一方の部材関連は、主要材料であるガラス基板、光学フィルム(TACフィルムを除く)、化学系材料などで相対的に好環境が続くとみている。想定以上のG10.5投資計画(6工場以上)の恩恵、部材メーカーの供給能力の増強に対する慎重な姿勢、今回のパネル需給調整がパネルメーカーの減産ではなく価格引き下げで均衡へと向かうと考えられるためである。バックライト関連は、OLED化の進展次第で一喜一憂する展開を予想する。