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 韓国LG Display社の2018年第2四半期(4~6月)決算は、売上高が前年同期比15%減、前四半期比1%減の5兆6110億韓国ウォンとなった。営業損益は、前年同期比で赤字転落、前四半期比で赤字拡大の2280億韓国ウォンの赤字である。売上総利益率は8.3%(第1四半期は9.6%)、営業利益率は-4.1%(同-1.7%)、EBITDAマージンは12.1%(同14.3%)。

 2018年第3四半期(7~9月)に関する同社のガイダンスは次の通り。パネルの総出荷面積は2018年第2四半期比で1桁半ば%の増加。BlendedASPは、テレビ向けの価格回復と面積当たり単価の高い中小型パネル比率上昇により、1桁半ば%の上昇。

 LG Display社の第2四半期実績は、売上高、利益とも厳しいとの印象である。粗利率が2四半期連続で10%を下回るのは2010年第4四半期~2012年第1四半期以来で、前回は供給過剰が2年余り続いた局面だった。

 今回は、供給過剰局面が2020年まで続くリスクを抱えた状況での収益悪化であり、状況はより深刻と言える。一方で、LG Display社の経営陣は事業環境の変化を踏まえ、有機ELパネルに経営資源をさらに集中していくとともに、設備投資を圧縮し、増資による資金調達を回避しながら、財務健全性を保つ方針である。

 筆者はかねて、LG Display社が第10.5世代投資の内容を変更する可能性を指摘してきた。今回の会社側コメントでは、その方向性が確実になった。我々は、2019年第2四半期の量産開始を想定していたTFT液晶パネルライン(生産能力は3万枚/月)への投資を見送り、2021年第1四半期の量産開始を前提にOxide基板ベースの白色有機ELパネルに投資すると見込んでいた。

 第10.5世代は、液晶パネルでは規模で中国勢に劣ることから、有機ELパネル一本に絞るという選択は正しいと筆者は考える。ただし、今回はインクジェット方式の導入やトップエミッション方式への変更などを行わない。有機ELパネル工場は同規模のアモルファスSiベース液晶パネル工場と比べると2倍近い投資金額が必要なことから、それに見合った差異化製品を投入しなくてはならない。また、80型以上の超大型パネルや75型以下の8Kパネル、フレキシブル、Rollableパネルなど開発面の課題も多い。第10.5世代工場での量産開始に向けた今後の進捗に注目したい。

 同工場の量産時期の遅延により、関連装置需要の減少が懸念されるかもしれないが、中国BOE社や中国CSOT社向けの納入時期の前倒しや鴻海グループ広州工場への納入などで埋められる見通し。少なくとも2019年末~2020年半ばまで、(TFTアレイ工程)関連装置の生産や出荷が途切れることはない見込みであり、ネガティブな影響は出ないと見ている。一方、有機ELパネルへの転換により、セル関連やモジュール関連は3万枚/月相当分が不要になる。