中国・華為技術(ファーウェイ)は2021年3月31日に、2020年12月期決算を発表した。売上高は8914億元(前期比4%増)、売上総利益は3271億元(同1%増、売上総利益率36.7%)、営業利益は725億元(同7%減、営業利益率8.1%)、当期利益は646億元(同3%増、当期利益率7.3%)だった。
前期比で増収だが営業利益は減少し、売上総利益率、営業利益率は若干ながら低下した。研究開発費は1419億元(前期比8%増)で、売上高に占める比率は15.9%と前期の15.3%から上昇し、研究開発で攻める姿勢を堅持している。減価償却費・償却費は331億元(同28%増)、総人件費は1661億元(同1%減)だった。
セグメント別の売上高は、キャリア向け事業(基地局など)が3026億元(前期比横ばい)、エンタープライズ向け事業が1003億元(同23%増)、コンシューマ向け事業(スマートフォン、パソコン、テレビ、スマートウオッチなど)が4829億元(同3%増)だった。
地域別の増収率は、中国のみ増収(前期比15%増)になった。欧州・中東・アフリカは前期比12%減、アジア太平洋は同9%減、米州は同24%減、その他は同6%減である。中国は5G(第5世代移動通信システム)インフラ関連事業、コンシューマ向け事業ともに好調、欧州やアジアはインフラ関連事業が好調だったが、「Google Mobile Service」を実質的に使えなくなったことでコンシューマ向け事業が不振に終わった。
営業キャッシュフロー(CF)は352億元(前期比62%減)、投資CFは308億元(同79%減)、フリーCFは45億元で、投資の激減によりフリーCFは3年ぶりに黒字となった。期末の現預金は3576億元(前期比4%減)と依然潤沢で、自己資本比率38%と財務健全性を維持している。売掛債権は747億元(同13%減)と減少し、在庫は1677億元(同0.2%増)とほぼ前年並みになった。在庫の内訳は、原材料が892億元(同52%増)、仕掛品が249億元(同8%減)、完成品が344億元(同34%減)、出荷済み商品が125億元(同39%減)であった。