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 米Apple(アップル)のスマートフォン「iPhone」について、2021年の生産台数は市場全体(前年比8%増)と同程度の伸びの2億3800万台と予想する。2020年の生産台数が2億2100万台(前年比13%増)、出荷台数が2億500万台程度(同5%増)、セルスルー(販売台数)が1億9500万台前後(同5%増以下)で、在庫水準が一定程度上昇したとみられる。そのため2021年は需要見合いの生産を想定している。

図:iPhone最終製品アセンブリー数量予想(実績はみずほ証券エクイティ調査部推計値、FYは3月期)
図:iPhone最終製品アセンブリー数量予想(実績はみずほ証券エクイティ調査部推計値、FYは3月期)
(出所:みずほ証券エクイティ調査部作成)
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 2021年第1四半期は5500万台(前年同期比45%増、前四半期比41%減)と予測する。「iPhone 12」系列は、「iPhone 12 mini」が期待外れなことは織り込み済み。アップルの第1四半期の計画は2020年12月段階で合計7000万~7300万台程度で、確実な調達のために実態より強めの計画をサプライヤーに提示したとみていたが、想定通りの下振れとなる。それでも5500万台は第1四半期では過去最高の水準である。

 2021年第2四半期は4500万台(前年同期比1%増、前四半期比19%減)と予想する。第1四半期の新機種の生産水準が高いことから、第2四半期は在庫調整の意味も含めて、前年同期比横ばいの水準が現実的と考えている。韓国Samsung Electronics(サムスン電子)の工場操業停止の影響(有機EL用ドライバーIC供給など)や半導体の全般的な供給逼迫(ひっぱく)の影響が第2四半期のリスク要因である。

 2021年通年予想の中間値は2億3800万台(前年比8%増)とした。2020年が実需以上の生産だったため、2021年はほぼ実需に沿った生産と想定している。アップルの計画値は2億6000万~2億7000万台という強気の数値も聞かれるが、筆者の予想ではブルケース(強気に見た場合)が2億5700万台、ベアケース(弱気に見た場合)が2億2000万台であり、実現可能性は低いとみる。

 2021年下期の新製品は4機種になりそうだ。ディスプレーの大きさはiPhone 12と同じで、性能面でカメラの更なる改善を見込むが、それ以外の目玉が見当たらない。2021年下期の予想は1億3900万台と2020年と同水準を想定する。