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 頭では分かっていても感情がついていかない。人間誰しも経験することである。

 地方政治の現場でも、こうした状況にしばしば直面する。例えば、以前の本コラムで横浜市議の鈴木太郎氏が指摘した、横浜市における救急車の適正配置を考えてみよう。データを分析すれば、救急車の出場件数は地域によって相当ばらつきがあり、出場要請の多い地域に重点的に配置するのは妥当な解である。しかし、自分の居住エリアに配備される救急車が少なくなるとなれば、理屈は分かっても抵抗する人は必ずいるだろう。

 筆者らがオープンデータを推進する狙いの1つは、データに基づいた政策の意思決定、いわゆるEBPM(Evidence Based Policy Making)の実施である。しかし、いくらデータが揃っても、納得のいかない市民感情が政策実行の壁として立ちはだかる恐れがある。だからこそ、納得感の醸成は必要であり、そのための手法として「フューチャーセンター」が非常に重要だと前回、お伝えした。

 フューチャーセンターとは、さまざまな立場の関係者が参加する創造的対話の場であり、参加者の間に納得感を醸し出すばかりか、これまでになかったイノベーティブな解決策を導くことも可能だ。今回は、筆者が視察や議会での活動を通じて体感してきたフューチャーセンターの実例を紹介したい。