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 前回紹介したように、ニューヨークの観光名所・ハイラインは、ジュリアーノ・ニューヨーク市長の時代には犯罪の温床として知られており、取り壊される予定だった。急転直下、公園としての再生に動き出した起点には、後任のニューヨーク市長に就任したブルームバーグ氏の決断があった。

公園として再生したハイラインは人気の観光スポットに
公園として再生したハイラインは人気の観光スポットに

 同氏が前任者の意思決定を覆した背景には、「フレンズオブハイライン」というNPO法人が中心となって展開したハイライン保存運動がある。ハイラインの保存運動は2人の男性から始まった。その物語は非常に有名で、ここではあえて繰り返さない。ただ、この再生の物語には、ブルームバーク市長らしい逸話が残っている。

 都市を企業のように経営するという同氏の哲学からも分かるように、自ら通信社を起業し、またたくまにウォール街を席巻した経営者の顔を持つブルームバーグ氏の経済政策は、いわゆる新自由主義の発想に基づき、常に費用対効果を意識していた。同市長は、ハイラインを公園として再生するに当たって、「ニューヨークに多くの公園がある中で、ハイラインの公園化を市のプロジェクトにするための説得力ある説明」を保存運動側に求めたという。

 フレンズオブハイラインを立ち上げ、保存活動の起点となった立役者、ジョシュア・デイビッド氏とロバート・ハモンド氏は、公園整備には税金を投入するものの、その後の周辺不動産の価格上昇や、それに伴う固定資産税の増加といった効果によって、投じた税金は回収できるという事業計画を提案した。綿密に練った計画を用意し、ブルームバーグ市長に掛け合ったわけである。

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