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 公共空間が本来持つポテンシャルを最大限引き出すことが都市の再生に繋がると、私自身は信じてきたし、今でも信じている。北九州で産声をあげたリノベーション・スクールを受講してみたり、前回紹介したニューヨークのような国内外の先進事例を視察してみたりする中で、確信は強まる一方だった。

 しかし、悲しいかな、政治家一人の存在は社会を変えるにはあまりにも微力だ。だからこそ、組織(政党)のパワーが必要になるのだが、私が所属していた組織の力は衰えていて、クリエーティブな政策を生み出せなくなっていた。端的にいえば、公園をはじめとする公共空間を使って都市を再生するというストーリーとその政策効果を、当時の政党がなかなか理解できなかったのだ。

 中から変えることは不可能ではないにしても、相当に時間がかかる。しかも、立場上、口にはしないものの、行政側が議員を「勉強不足の人たち」と認識しているのは間違いない。組織の力を利用しにくい以上、私は個人で頑張るしかなく、「勉強しない人たち」との見方を覆して、公共空間のリノベーションを横浜市の根幹の政策に据えようと思えば、それなりの工夫が必要だった。

 そこで私が採った手段は、自らが実践者になることだった。口で政策を語るだけではなく、自ら実践者として現場に向き合う。現場を知るからこそ、政策を語る言葉にも、理想と現実を理解した迫力を込められると考えてのことだった。

 日経xTECHでの連載・第一部もいよいよゴールに近づいた本稿では、私自身が自ら実践したリノベーションまちづくりの事例を紹介したい。

筆者が運営に携わる「THE CAVE」は、演劇や音楽のアーティストを支援している。
筆者が運営に携わる「THE CAVE」は、演劇や音楽のアーティストを支援している。
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