PR

お子さんがいらっしゃるそうですが、仕事と育児の両立に苦労はありましたか。

 子供は3人います。入社してすぐに結婚して、1年目で1人目の妊娠が分かりました。

 まだ入社して日が浅い時期ですし、嫌な顔をされるかな、と内心びくびくしながら部長に伝えました。しかもそれまで、当時の所属部署に産休取得者はいませんでした。忙しい部署で周囲の先輩は日常的に残業していましたし、その中で自分だけ休みを取るのは難しいだろう、同じ部署には戻れないかもしれない、と思っていました。

 部長も部下の産休というのは未経験で、私の話を聞いて驚いていましたが、次に掛けられた言葉が「戻ってくるよな」でした。「もうおまえの居場所はないよ」ではなくて、「戻ってくるよな」と、すぐ温かく言ってもらった。とてもありがたかったですね。その後、引き継ぎの手配をしてくれました。私は育休取得後、半年ほどで復帰しました。

 復帰と同時に、通信関係の独立行政法人に2年間出向しました。朝9時から夕方5時の仕事を与えていただいて、それに取り組みながら社会勉強をしてこい、と。いろいろな会社からの出向者と一緒に、飛行船のプロジェクトなどに関わりました。人脈もできましたし、自分の会社では当たり前だと思っていたことが他社では違うということを知って、とても勉強になりました。

 その後、2人目の産休・育休を経て、この会社に復帰しました。

(撮影:菊池 くらげ)
(撮影:菊池 くらげ)
[画像のクリックで拡大表示]

忙しい部署に戻って、苦労されませんでしたか。

 当時はそこまで忙しくはなくて、なんとか定時には帰っていました。幼い子が2人いると、熱を出して保育園から呼び出しの電話が掛かってくることもしょっちゅうなのですが、当時の上司に助けられました。

 上司は男性でしたが、「自分も子育てを経験していて、保育園からガンガン電話が掛かってきた。この時期は仕方ない」と目をつぶってくれて。私の状況や気持ちを、「大変だよな」と理解してもらえたのが、とても心強かったですね。

 その後、3人目を出産しました。2004年12月にあったスマトラ島沖地震の数日後でした。大きな津波が起こった後で職場も大変そうだったので、12月に出産して翌年4月には復帰しました。

 子供は3人とも同じ保育園に入れたので助かりましたが、その保育園には生後6カ月未満の子は夕方5時までしか預かれないという決まりがありました。それで初めて、会社の時差出勤制度を使いました。勤務時間を前にスライドして、8時に出社して夕方4時半に退社する形です。

 正直いって、最初はちょっとやりづらかった。みんながバリバリ仕事をしている中で、「失礼します」と早く帰るのは気が引けました。でも周囲は温かく見守ってくれました。

 親の助けも借りました。夫も私も九州の出身なのですが、何度もこちらに来てもらいました。特に夫の両親には、1カ月くらい長期滞在してサポートしてもらうなど、本当に助けられました。今でも、九州方面には足を向けて寝られません(笑)。

 普段は、家のことは夫と分担しています。夫婦のどちらも同じことが同じようにできることが望ましいと思っているので、誰が何の担当かは決めず、できることをできる人がやろうというスタイルです。夫も一人暮らしが長かったので、何でもできますし。

 今では子供たちも成長しているので、朝のお茶碗洗いはあなたね、というように任せています。こうして、子供たちができることを増やしています。

仕事を続ける上で、使いやすかった制度はありますか。

 子供の看護休暇です。3人いると子供の病気は頻繁で、私は有給休暇をほぼ看護で使い切っていました。それが看護休暇が使えるようになって、有休とは別に5日間は子供の看護のために休んでいいよ、となりました。

 良かった点が、手続きの簡単さです。医師の証明書は要らず、薬袋を出せば認めてくれます。インフルエンザで学級閉鎖になって、本人は元気なのに登校できないときも看護休暇を使ってよいとか、そういう柔軟な対応も助かりました。