4000円前後で買える小型のPCボード「Raspberry Pi(ラズパイ)」を、ネットワークブート型のシンクライアントとして使えるソフトが「PiServer」です。PiServer専用のPCサーバーを用意しておくと、ラズパイをmicroSDカード無しで起動でき、サーバーにデータを保存するシンクライアントに仕立てられます。
サーバーとしてRaspberry Pi Desktop x86をインストール
PiServerは、公式OS「Raspbian(ラズビアン)」の機能です。Raspbianは米インテルや米AMDのx86互換プロセッサで動作する「Raspberry Pi Desktop x86」があり、x86版Raspbianをサーバーに、ラズパイのRaspbianをクライアントに、それぞれ利用します。
まず、Raspberry Pi Desktop x86を任意のPCに導入します。Raspberry Pi Desktop x86は、メモリー1Gバイト程度のPCでも動作する、いわゆる軽量Linuxです。CPU性能は1GHz超の動作周波数であれば問題ありませんが、クライアントとなるラズパイのデータを保存するサーバーとして利用するので、クライアント数に応じた空き容量を確保しておきます。
インストール用のISOイメージファイルは「DOWNLOADS」メニューの「Raspberry Pi Desktop (for PC and Mac)」を開き、「Download ISO」をクリックしてダウンロードします。ISOイメージはDVD-Rメディアに書き込んだり、仮想マシンの仮想CD-ROMにマウントしたりして起動メディアにします。
Raspberry Pi Desktop x86を起動し、「Graphical Install」や「Install」を選んでハードディスクやSSDにインストールします。導入後、再起動するとラズパイのRaspbianと同じデスクトップ画面が表示されます。最初に、システムを次のコマンドで最新の状態に更新しておきましょう。
$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade